ワールドシリーズの行方を変えたジャッジの落球。その余波は今も広まっている。(C)Getty Images スーパースターの“エラー”に対する余波は今も続いている。 波紋を広げ続けているのは、24年シーズンのワールドシリーズの第5戦で、ヤンキ…

ワールドシリーズの行方を変えたジャッジの落球。その余波は今も広まっている。(C)Getty Images

 スーパースターの“エラー”に対する余波は今も続いている。

 波紋を広げ続けているのは、24年シーズンのワールドシリーズの第5戦で、ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジが犯した“落球”だ。本人が「死ぬまで僕につきまとう」と肩を落としたワンプレーは、1イニング5失点のキッカケとなる悔やみきれないものとなった。

【動画】平凡なフライを落球 ジャッジの痛恨過ぎたエラーをチェック

 ヤンキースの15年ぶりのワールドシリーズ制覇を遠のかせた痛恨のエラー。多くのファンが忘れたいであろう“事件”だったが、ふたたび掘り起こされている。というのも、どこからかボールを手に入れたドジャースが慈善目的でオークションに出品。なんと4万3500ドル(約682万9500円)で落札されたのだ。

 入手経路などは不透明だが、ファンを含めたヤンキース側からすれば、傷口に塩を塗られる行為と言える。そして、ドジャースへの心象を悪くする地元メディアの識者たちからは怒りの声が飛んだ。ニューヨークのラジオ局『WFAN』のキャスターを務めるエバン・ロバーツ氏は「ドジャースは自分たちの本質を見せつけた。彼らは品位のない豚集団だ。ボールを購入した人を責めるつもりはない。これは球団自体に非がある」と辛辣な意見を展開した。

 また、ロバーツ氏がホストを務める番組にゲスト出演したティキ・バーバー氏は、「ドジャースがどうやってボールを手にしたのか」と疑問を投げかけた上で、「ジャッジが落としたボールがヤンキースのボールボーイに直行した可能性が高い。おそらくその瞬間からボールが得る何らかのシステムがあるのだろう。とにかく気持ちのいい行為ではないね」と懐疑的な見方をした。

 一方で“豚”と呼ばれたドジャース側は批判に反論を展開する。球団の専門サイト『Dodgers Way』は「ニューヨークのラジオ司会者はドジャースを『品位のない豚』と呼んでいるが、何を言っているのか分からない」と苦言。そして、「参考までにこのお金はすべて慈善団体に寄付される。選手のボールを奪い取ることに抵抗のないファンの代表からすると、おかしな発言だ」と反発した。

「ヤンキース・ファンは、批判に使っている無駄なエネルギーをドジャースではなく、MLBに向ければいい。なぜならオークションの主催は彼らだからだ。そして、ジャッジの落球はメイズの故郷アラバマにあるウイリー・メイズパークの改修に充てられる。例えそれが“品のない行動”だったとしても、ドジャース側は善意のためにファンにお金を使わせる術を知っていた」

 意見が食い違う名門界隈。いずれにしても、ジャッジのエラーを巡る論争はしばらく落ち着きそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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