『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の女子決勝戦へ勝ち進…

『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の女子決勝戦へ勝ち進んだのは、京都府代表の京都精華学園高校(京都府)と熊本県代表の慶誠高校。3年連続決勝進出を果たした京都精華学園は3連覇、慶誠は勝てば県勢初の日本一を獲得する。

■経験豊富な絶対女王


 2年連続で第1シードから登場した京都精華学園は、初戦の県立山形中央高校(山形県)、3回戦の聖カタリナ学園高校(愛媛県)に快勝を収め順調なスタートを切った。しかし、続く準々決勝ではインターハイベスト8に入った鵬学園高校(石川県)に3点差の辛勝。迎えた準決勝も最後まで白熱した展開となったが、初の全国4強進出を果たした精華女子高校(福岡県)を72-70で退けて4年連続となる決勝進出を決めた。

 今年のチームで軸を担うのは林咲良、橋本芽依、桃井優の3年生ガードトリオ。1年生の頃からスタメンに抜擢されてきた桃井は、精華女子との試合を振り返り、「チームで目標としているのは、ディフェンス、ルーズボール、リバウンドを徹底することと、校長先生(山本綱義アシスタントコーチ)の指示を徹底することです。今日の試合でもディフェンスで守り切ったからこそ、オフェンスに繋がってリードできた時間帯がありました」とコメントを残した。

 キャプテンの林は、「今年のチームはベンチメンバーも含めた全員バスケットを心掛けています」とチームの強みを話し、決勝戦へ向けては「泣いても笑っても最後の試合になるので、ベンチ外のメンバーも、ベンチメンバーも、スタートの5人も、全員が日本一になるという気持ちが大きい方が勝つと思うので、全員バスケットで戦っていきたいと思います」と意気込みを述べた。

■下馬評を覆してきた挑戦者


 対する慶誠は、1年生の頃から主力としてプレーしてきたポイントガードの岸希、パワーフォワードのロー ジョバ(ともに3年)を中心にウインターカップでは県勢初の決勝まで辿り着いた。今夏のインターハイはベスト8。今大会は1回戦から和歌山信愛高校(和歌山県)と7点差の試合を競り勝ち、2回戦で仙台大学附属明成高校(宮城県)、3回戦で昌平高校(埼玉県)から勝利。山場となった準々決勝では、昨年の準優勝校で第2シードの岐阜女子高校(岐阜県)を62-57で撃破し下馬評を覆した。

 準決勝の相手は大阪薫英女学院高校(大阪府)。この試合では18-7の好スタート切ると、ジョバが40得点25リバウンドの大暴れを見せて決勝進出を果たした。相手の猛攻を受ける場面もあったが、「今の選手たちは詰め寄られて逆転された経験をたくさんしていますので、表情を見ても落ち着いているなと感じました」と右田卓也コーチ。決勝に向けては「チームプレー」を強調し、「やはりジョバという絶対的存在がいますが、周りの選手たちが得点を取らないと勝てないと思っています。相手もジョバを抑えてくることはわかっていますので、いかにチームで崩せるかですね」と陽本麻生、澤田樹奈(ともに2年)らの活躍をポイントに挙げた。

 京都精華学園は大会3連覇だけでなく、2年連続となるインターハイ、U18日清食品トップリーグ、ウインターカップの3冠獲得に王手をかけた。しかし、今年のU18日清食品トップリーグで唯一敗れた相手が慶誠。最も注目すべきは京都精華学園のユサフ ボランレ アイシャット(3年)と慶誠のジョバによるインサイドの攻防だが、いかに周りの4人が存在感を示せるかどうかが勝敗を左右するだろう。運命の一戦は、12月28日11時ティップオフだ。

取材・文=小沼克年