第41回ホープフルステークス(28日/GI、中山2000m)には、クロワデュノール、マジックサンズ、マスカレードボールの2戦2勝馬に加え、キタサンブラック産駒のピコチャンブラックやヤマニンブークリエなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ジョバンニ」を取り上げる。

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■ジョバンニ

【中間調整】ひとつ上の半姉が、今年のチューリップ賞で9番人気⇒2着、ローズSで11番人気⇒3着などケレン味のない大逃げで穴を開け存在感を示したセキトバイースト。ジョバンニはデビュー戦をそつなく制し、野路菊S、京都2歳Sでは長くいい脚を使って連続2着と姉とは違った安定感ある取り口が魅力だ。

中8週の前走・京都2歳Sを叩いてホープフルSへ進むのは既定路線。中間は在厩でケアされている。時間をある程度取って疲労をしっかり抜き、初時計は15日に坂路14-14。18日の1週前追いには松山騎手が騎乗し、2歳1勝馬サンダーロードを追走する併せ馬を行った。ある程度序盤から速いラップを刻む内容だったが、楽に取り付いていき、最後は手応え圧倒のまま相手を2馬身置き去りにした。ゴーサインへの反応は機敏で、気持ちはしっかり張っているようだ。

【最終追い切り】輸送を控えるレース当週は坂路単走で脚慣らし程度の内容をこなした。やや頭が高いが、これはいつものこと。前肢の踏み込み、トモの蹴り自体はしっかりしており前後の連動性という意味で至極順調に感じるし、体調もすこぶる良さそう。

【見解】攻めでは典型的な優等生タイプで少ない本数でも仕上がるし、乗り手の指示にもすんなり従う。調子の波は少なく、常に高いレベルで好調を維持できる馬だろう。この中間も順調そのものだ。となればレース間隔が中4週と詰まる分、実戦感覚がより濃い状態で臨める今回の大幅上積みに期待していいのではないか。前走は中8週とひと息入っていたせいか、二の脚がいまひとつ。そのあたりも今回は違ってきそう。仇敵エリキングと再び相まみえる前に、ここで実績を残しておきたい。

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総合評価「A」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。