ドジャース移籍となれば、同世代の大谷との共闘も実現するが……。(C)Getty Images ワールドシリーズの連覇に向けて肝となる“核”は埋まるか。ドジャースの補強動向が注目を集め続けている。 24年シーズンに悲願のワールドシリーズ制覇を…
ドジャース移籍となれば、同世代の大谷との共闘も実現するが……。(C)Getty Images
ワールドシリーズの連覇に向けて肝となる“核”は埋まるか。ドジャースの補強動向が注目を集め続けている。
24年シーズンに悲願のワールドシリーズ制覇をやってのけた銀河系軍団は、今オフも積極果敢な補強を展開。過去2度のサイ・ヤング賞を手にした左腕ブレイク・スネルと5年総額1億8200万ドル(約276億6000万円)の大型契約を締結したほか、マルチな活躍を見せたトミー・エドマンとの延長契約も締結。チームの屋台骨を確実に固めている。
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一方で懸念材料となっているのが、遅々として進展が見られないテオスカー・ヘルナンデスとの再契約だ。レギュラーシーズンで34本塁打、99打点、OPS.840を記録した貢献度を評価したドジャースは契約延長に向けたオファーを提示したものの、4年8000万ドル(約121億6000万円)を要求する本人との溝は埋まらず……。交渉は難航している感が否めない。
そうした中で、ドジャースはトレードによる“プランB”も検討しているという。米メディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者は、ヘルナンデスに代わる「右のスラッガー」としてルイス・ロバートJr.(ホワイトソックス)と鈴木誠也(シカゴ・カブス)をリストアップ。ここにきて新たな方向に舵を切る可能性が論じられている。
やはり気になるのは、鈴木のドジャース移籍の可能性だ。
現時点で可能性は限りなく小さいと見るのが妥当だろう。24年シーズンに打率.283、21本塁打、73打点、OPS.848の好成績を収めた30歳はカブスにとって必要不可欠。コディ・ベリンジャーとのトレードで、強打者カイル・タッカーを手に入れた外野手陣が飽和状態とはいえ、打線の中軸を担える実力派の打者は見当たらない。加えてカブスとの5年契約にはトレード拒否権も付帯する。そのため、本人が納得しなければ出せないという事情もある。
もっとも、守備に不安を残す鈴木をDHで起用しようとするカブスの意向には、本人側がやや難色を示している。代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は今月10日の記者会見で「彼ら(カブス)はセイヤをトレードしたいとは思っていないと思うが、『これは断れない』と感じるシナリオもあるかもしれない」と明言。さらに「『フルタイムのDHになれるぞ』と言われたら、彼はその球団と契約しなかった。セイヤは日本で素晴らしい守備の名手だった。だから、DHというのは褒め言葉ではない」と守備機会を求める鈴木の強いこだわりを公言している。
また、鈴木のドジャース移籍の可能性を伝えたローゼンタール記者も「スズキの考えを詳しく知る情報筋によると、外野手としてプレーできる可能性だけでも、本人がトレードに賛成する傾向が強まっている」と水面下での動きを伝えている。
すでにドジャースは来季にムーキー・ベッツを遊撃手として起用する方針を固めている。仮に鈴木を獲得すれば、外野手としてプレーさせる可能性が高いため、本人の意向には合致する。あとはカブスが望む“オファー”をドジャース側が提示できるかがポイントとなるのは間違いない。
ヘルナンデスとの交渉が難航する中で、果たしてドジャースはいかなる動きを見せるのか。現状を考えれば、トレード交渉を含めて契約の見通しは越年が濃厚だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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