■怪我の功名となるか 12月25日に行われた『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バス…

■怪我の功名となるか


 12月25日に行われた『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の2回戦で、洛南高校(京都府)は県立四日市工業高校(三重県)に98-69で勝利。第1クォーターから28-12とペースを握ると、エントリーメンバー15名全員がコートに立った。

 洛南のエースを張るのは、背番号4の松本秦(3年)。4点差の競り合いとなった初戦の尽誠学園高校(香川県)では、192センチのサイズを生かして18得点16リバウンドをマークして勝利へ導いた。しかし、四日市工業戦での得点は「0」。尽誠学園との試合で足を捻ったこともあり、プレータイムも8分36秒にとどまった。

「自分はプレーで周りを引っ張ることが一番求められていることですし、毎試合30点以上取ってチームを勝たせることが目標です」と口にするように、松本は常にコートに立って得点を量産してきた。久しぶりにベンチで長い時間を過ごしたことで、普段とは違う刺激を受けたようだ。

「いつもコートに立たせてもらっている分、試合を客観的に見ることが少ないので勉強になりました。やっぱり外から見ているからこそ気付くこと、思うことがありましたし、今日の試合はそういったことをチームに伝えて貢献できたらいいなと思っていました」

■「フルコートプレスもあると思うんですけど…」


 洛南にとって、今回のウインターカップは2年ぶりとなる全国。昨年は思うような結果を残せなかった中でも、「勝負どころで自分が点数を決められず負けてることが多かったので、メンタル面やシュートの決定力を高められるように練習に取り組んでいました」と松本は振り返る。

 26日の3回戦に勝利すれば、2年ぶりにメインコート進出を果たす。2回戦は危なげない試合運びを見せた洛南だが、次に立ちはだかるのはディフェンディングチャンピオンの福岡第一高校(福岡県)。松本は「負けたら最後ですし、相手も福岡第一さんなので自分たちの持っている力を120パーセント出さないと勝てないような相手だと思います。チーム一丸で戦いたいです」と意気込み、静かに闘志を燃やす。

「福岡第一さんはとにかくディフェンスが強いチーム。フルコートプレスもあると思うんですけど、全体のサイズでは自分たちの方が勝っているので、ハーフコートまでボールを運ぶことができれば自分たちの得意なオフェンスに持っていけると思います」

 無論、2回戦で力を温存したエースは、自分の持っているものを全てぶつける覚悟だ。

「40点取ってチームを勝たせます」

取材・文=小沼克年