米ツアー再参戦を目指す石川遼が2025年も予選会(Qスクール)に挑戦する考えを示した。今月上旬、来季のPGAツアーおよび下部コーンフェリーツアーの出場権をかけたカリフォルニア州での2次予選会で敗退。帰国後の25日に千葉県内のゴルフ場で取材…
米ツアー再参戦を目指す石川遼が2025年も予選会(Qスクール)に挑戦する考えを示した。今月上旬、来季のPGAツアーおよび下部コーンフェリーツアーの出場権をかけたカリフォルニア州での2次予選会で敗退。帰国後の25日に千葉県内のゴルフ場で取材に応じ、「いつでもチャレンジしたい」と意欲をのぞかせながら、24年を振り返った。
通過ラインに2打及ばなかった2次予選会は「今年の集大成のようなゴルフ。良い部分も出たけど、悪い部分も安定して出た」という4日間。キャリアで50試合以上、予選を通過した選手に付与された資格を生かせず、最終予選会への進出を逃した。
今季は6月の「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ」、11月「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝。通算20勝の大台到達はすでに頭になく、どんよりムードを漂わせる。「来年はもっと覚悟を持ってやらないと。このまま『今年と同じようなシーズンだったら良い』という感じだと、ちょっと厳しい」と間近に迫った新年を見据えた。
コロナ禍に再構築を始めたスイングの形は理想に近づき、「球は真っすぐ飛ぶようになった」と実感しつつ、「もうひとつ深いところにもまだ問題がある」という認識を持つ。ゲームの組み立て段階で起こる判断ミスや、集中力が散漫になる状況の解消が緊急課題。「20年以上、変わってない部分。そこをレベルアップしないとこれから先はキツイ」と深く息を吐いた。
2次で同組で回った金谷拓実は、最終も突破してPGAツアーの出場資格を手にした。実際に、後輩プロの試合運びは石川にとっても改めて刺激的だった。「気合が入って、すごく熱く、燃えているように見えて、ボールを打つときには冷静。拓実には技術も勝負強さもあるんですけど、(最適な)状況判断の力もある。(平田)憲聖もそこが優れている。自分も身につけていかなきゃいけない」
タイトルを重ねても悩みが尽きなかった一年。“今年の漢字”を問われ、長い沈黙の後に「人」と口にした。今季はサポートスタッフに新しいマネジャーが加わり、とくに後半戦は田中剛コーチとのスイング面以外の意見交換が活発化。「キャディの佐藤(賢和)さんとは10年やってきて、今までで一番頼ったし、悩みも打ち明けた」という。
17年目のプロ生活で発見したのは、「ゴルファーとして自分だけで解決する意識が根付いていた。(心の)どこかで『自分が一番分かっている』というプライド、おごりがあった」という自分そのもの。「(他人に)話したことによって、すごく変わったところもあった。必要な人の存在をすごく感じた一年」はきっと今後の糧になる。(編集部・桂川洋一)