「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会(産経新聞社など主催)が来年1月5日、東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。京都府代表として出場する男女2校を紹介する。男子=洛南 絶対的司令塔の復…
「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会(産経新聞社など主催)が来年1月5日、東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。京都府代表として出場する男女2校を紹介する。
男子=洛南 絶対的司令塔の復帰
府予選決勝ではライバルの東山と対戦。第1セットを先制されるも、その後はリズムを取り戻し3―1で突き放す底力を見せた。
5年ぶりに出場した前回の春高では、2回戦で敗退。その悔しさを胸にハイレベルな練習を重ねてきた。今季は全国高校総体(インターハイ)でベスト4、国民スポーツ大会(国スポ)で5位と全国の舞台で好成績を残している。
攻撃の要は世代最強スパイカーの呼び声が高い主将の中上烈(3年)。加えてサウスポーの大西風弥(3年)、攻守で貢献する酒井星英(おうえん)(3年)も存在感を放つ。中上は「見ていて楽しい、すごいと思うようなプレーをしたい」と闘志を燃やす。
絶対的な司令塔の復帰も明るいニュースだ。インターハイ2日前に左足小指を骨折したセッターの樋口卓朗(3年)が、春高府予選から復帰。決勝では肉離れを起こすアクシデントもあったが、万全の状態でオレンジコートに立てそうだ。「徐々に動けるようになってきて、やりたいことができている。今まで皆に支えてもらったので、最後は自分が皆を支える気持ちで優勝を目指したい」と気を吐く。
1月5日の1回戦で洛南は習志野(千葉)と対戦する。細田哲也監督は「昨年春高の舞台で実際にプレーをした選手がたくさんいるのは大きい。決勝まで進み(大会2連覇中の)駿台学園を阻止できるよう頑張りたい」と、王者打倒を誓った。
女子=京都橘 強みはチームの仲の良さ
4年連続27回目のオレンジコート-。速いテンポでサーブレシーブを通してトスを上げ、バックアタックで得点を重ねる伝統の「高速立体バレー」で今季も他チームを圧倒した。
セッターで高校選抜の主将も務めた川岸夕紗(主将、3年)を起点として、エースの平野佐奈(3年)や横井彩椛(3年)らが呼応し、平均身長の低さを技術で補う。
準決勝に進むには3日間で4試合を勝ち抜かなければならない過酷な日程。疲労面も考慮して、控えの底上げを行い、ベンチとスタメンが一体の全員バレーで悲願の日本一を目指す。
川岸は「日本一を目指す上で強いチームと対戦するだけに、スタミナ面をさらに向上させたい。一戦一戦、楽に戦えるような体を作っていきたい」と体力強化を図ってきた。
主将が語る強みはチームの仲の良さ。コート内外でも学年を超えて積極的にコミュニケーションをとる。「チームが悪いときこそ、声を出して鼓舞したい」。大一番でも主将の大きな声で流れを変えていく。
初戦は5日、誠英(山口)と対戦する。三輪欣之(よしゆき)監督は昭和60年からチームを指導し、令和7年で40年目。無名の京都橘を強豪校に押し上げた名将は「まず初戦をしっかり頑張って、その勢いで3日間を勝ち切りたい」と意気込む。
「オレンジの悪魔」で知られる同校吹奏楽部が米国で行われるローズパレードに出場。このため府予選決勝に続いて会場での応援はできないが、不在の吹奏楽部にも吉報を届けたい。(渡辺大樹)