まさかの事態に総崩れした。ヴィッセル神戸のFW大迫勇也が試合終了間際にPKのチャンスを迎える。決めれば同点という状況の中、渾身のシュートは枠を大きく越えて外れてしまう。千載一遇のチャンスを逃した背番号10はピッチに倒れ込み、サポーターはエ…

 まさかの事態に総崩れした。ヴィッセル神戸のFW大迫勇也が試合終了間際にPKのチャンスを迎える。決めれば同点という状況の中、渾身のシュートは枠を大きく越えて外れてしまう。千載一遇のチャンスを逃した背番号10はピッチに倒れ込み、サポーターはエースのPK失敗に打ちひしがれたが、内田篤人氏は後輩に優しい声を送った。

【映像】サポーター愕然の劇的シーン(実際の様子)

 今月配信された『内田篤人のFOOTBALL TIME』では、『FOCUS MATCH』として明治安田J1リーグ第37節の柏レイソル対神戸が紹介された。MCの内田氏とゲストの安田理大氏が焦点を当てたのは、95分に神戸の大迫に訪れたPKのシーンだ。1点を追いかける神戸が88分に右サイドを起点に攻め込む。DF広瀬陸斗がクロスを上げるも、ボックス内の味方に合わなかった。しかし、その直前に空中で競り合った柏のDFジエゴの左肘がFW武藤嘉紀の顔に直撃しており、神戸にPKが与えられる。

 キッカーは、大迫だ。自力でのリーグ連覇に必要な勝点獲得に向け、なにがなんでも決めたいというプレッシャーが掛かる状況で、柏ゴールの裏には560kmを移動して駆けつけてくれた神戸サポーターが手拍子を叩いて同点ゴールを祈る。背番号10は大きく息を吐いてゴールを見つめると、細かいステップの助走からシュートを放つ。ゴールマウスの右上に鋭く飛び、柏のGK松本健太の逆を突いたが、ボールは枠を大きく越えてしまった。決まらないことを悟った元日本代表FWはうつ伏せになって芝生を叩く。見守っていたサポーターは頭を抱え、開いた口が塞がらない様子だった。

 悔しさを滲ませる大迫に、鹿島アントラーズや日本代表で一緒にプレーした先輩の内田氏は「サコ外したらしょうがない」という言葉を添え、安田氏も「エースだからね」と呼応した。それでも決定機逸に直面した神戸の吉田孝行監督は両手で顔を覆い、悔しさを隠し切れなかった。

 ただし、その5分後に神戸はCKの波状攻撃から武藤による同点ゴールが生まれ、土壇場で勝点1を獲得。そして、その翌週にノエビアスタジアム神戸で行われたリーグ最終節に3‐0で勝利し、クラブ初のJ1リーグ2連覇を達成した。

(ABEMA de DAZN/内田篤人のFOOTBALL TIME)