ゴルフの魅力の1つである飛距離の指標はドライビングディスタンス。2024年の国内女子ツアーでは計測が始まった2017年以降初めて、260yd超の選手が同一シーズンで複数人、4人も誕生した。顔ぶれは歴代最高263.19ydで1位となった竹田…

平均260yd超えを記録した(右下から時計回りに)竹田麗央、神谷そら、穴井詩、葭葉ルミ

ゴルフの魅力の1つである飛距離の指標はドライビングディスタンス。2024年の国内女子ツアーでは計測が始まった2017年以降初めて、260yd超の選手が同一シーズンで複数人、4人も誕生した。顔ぶれは歴代最高263.19ydで1位となった竹田麗央を筆頭に、2位・葭葉ルミ(262.98yd)、3位・神谷そら(262.71yd)、4位・穴井詩(261.91yd)だった。

過去の260yd超は17年の葭葉(260.76yd)、19年の穴井(260.67yd)、23年の神谷(260.82yd)だけだったことを思えば、日本もパワーゴルフの時代に突入した…と言えなくもない。では、米ツアーではどうか?

米トップは竹田も絶句の290.61yd

24年の米ツアー1位はナッタクリッタ・ウォンタウィラップ(タイ)でなんと290.61yd。2位のケイトリン・ミリガンが287.37yd、3位のポリー・マック(ドイツ)が284.40yd、4位のローラ・ワーンが280.02ydで280yd超が4人。そして260yd超なら74位のチェ・ヘジン(韓国)が260.03ydと74人もいる。

高いポテンシャルを秘めるナッタクリッタ・ウォンタウィラップ

日米のコース、気候の違い?

260yd超の選手が4人対74人…。竹田は自分を約27ydも上回るウォンタウィラップの290yd超を知った瞬間「すごっ!」と絶句した。確かに数値だけ見れば、日本と別次元だ。しかし、実際そこまで差があるのだろうか? 以下は今季米ツアーに参戦した日本勢9人のドライビングディスタンスと、スポット参戦した国内ツアーのデータ(カッコ内)、そして右端が両ツアーでの飛距離差になる。

25位/笹生優花/267.90yd(266.00yd=2試合6R) +1.9yd
56位/勝みなみ/262.81yd(255.58yd=5試合17.5R) +7.23yd
65位/西郷真央/261.26yd(249.64yd=2試合7R) +11.62yd
85位/畑岡奈紗/258.99yd(252.63yd=1試合4R) +6.36
98位/渋野日向子/256.06yd(241.17yd=2試合6R) +14.89yd
127位/吉田優利/251.27yd(244.56yd=5試合18R) +6.71yd
134位/古江彩佳/250.41yd(245.58yd=7試合22R) +4.83yd
152位/稲見萌寧/246.75yd(236.38yd=5試合12R) +10.37yd
160位/西村優菜/241.19yd(231.06yd=3試合8R) +10.13yd

国内ラウンド数が少ないため単純比較に無理はあるものの、9人全員の米ツアーでの飛距離が日本ツアーのそれを上回った。平均値はプラス8.22yd。差が最少だったのは笹生でプラス1.9yd、続いて古江がプラス4.83ydだが、10yd以上も違った選手が西村、稲見、西郷、渋野と4人もいた。

“日本ツアーより米ツアーの方が飛ぶ”のは間違いなさそうで、背景には米ツアーの方が思い切って振っていけるコースが多い、地面が硬くランがよく出る、湿度が低い…などが考えられる。

米ツアーで竹田、山下、岩井ツインズはどうなる?

海外選手に見劣りしない飛距離も大きな魅力

来季米ツアーを主戦場にする日本勢は史上最多の総勢13人になる見込みだ。竹田のほか、新たに参戦する山下美夢有岩井明愛千怜馬場咲希の今季の飛距離は、山下が236.36yd(国内53位)、岩井明が257.36yd(同6位)、岩井千が250.14yd(同10位)、馬場が252.28yd(米下部ツアー66位)だったが、米ツアーではどうなるか? 総合的な成績はもちろんだが、飛距離の変化に注目してみるのもおもしろいかもしれない。