この夏、地元・福岡の大きな期待を背負ったインターハイは3位で終えた。しかし、福岡大学附属大濠高校(福岡県)は3年連続の出場と…
この夏、地元・福岡の大きな期待を背負ったインターハイは3位で終えた。しかし、福岡大学附属大濠高校(福岡県)は3年連続の出場となった「U18日清食品トップリーグ2024」で初優勝。トップリーグでは開志国際高校(新潟県)に敗れたものの、福岡第一高校(福岡県)や八王子学園八王子高校(東京都)、夏に敗れた美濃加茂高校(岐阜県)、インターハイ王者の東山高校(京都府)にはいずれも3点差の競り合いを制した。同校の片峯聡太コーチは、トップリーグ優勝後の会見で次の3つを収穫に挙げた。
「ウインターカップに向けてケガ人を出さずに7試合を戦い抜いたこと。このトップリーグの期間でいろんな選手を育成することができたこと。そして、美濃加茂さんや東山さん相手にもワンポゼッション、ツーポゼッションの僅差の戦いをしっかり勝ちきることができたこと。そういった自信も含めて素晴らしい大会にできたことを心から感謝したいと思います」
11月に行われたウインターカップ県予選でもライバルの福岡第一を退け、福大大濠は2年連続となる福岡県1位で本戦へ出場。今年は渡邉伶音、湧川裕斗、髙田将吾の“BIG3”を筆頭に、前回大会で準優勝した主力メンバーが3年生となった磐石の布陣を誇る。指揮官の言葉どおり底上げにも成功した。しかし、県予選前に1つの動きがあったという。
「11月4日の県予選決勝の2日前でした。その試合までの練習の雰囲気があまり良くなくて、僕と山本先生(山本草大アシスタントコーチ)が話し合いをしました。そしたら山本先生から『チームキャプテンが怜、ゲームキャプテンが裕斗の方がいいんじゃないか』という提案をしていただきました」
そう語る見竹怜(3年)は、得意のドライブと献身的なプレーでチームを支えるシックスマン。今大会ではチームキャプテンとしても重要な役目を担うことになったが、「今までは練習でも試合でも裕斗に頼り過ぎていた部分がありましたけど、僕がチームキャプテンになったことでチームとしてもいい関係性が築けていると感じています」と好循環が生まれたと明かす。
福大大濠が前回ウインターカップ優勝を果たしたのは2021年。昨年の準優勝を含め、現在のメンバーは未だ日本一を経験できていない。
「トップリーグで優勝できたことで、他のチームは自分たちに勝つために強い気持ちを持って挑んでくると思います。そこで受け身にならず、自分たちからアクションを起こして必ず優勝をつかみ取りたいですし、粘り強いディフェンスからブレイクを出すことができればせればどのチームにも負けないと思っています」
目指すは頂点のみ。3年間の集大成へ意気込む見竹を中心に、果たしてどんなケミストリーを起こすか非常に楽しみだ。
文=小沼克年