今年で33大会連続の出場となる岐阜女子高校(岐阜県)は、ウインターカップでは2度の優勝と準優勝5回の実績を誇る。 昨年は、3…

 今年で33大会連続の出場となる岐阜女子高校(岐阜県)は、ウインターカップでは2度の優勝と準優勝5回の実績を誇る。

 昨年は、3ポイントシュート成功数(27本)でウインターカップ歴代記録を更新した絈野夏海(現・東京医療保健大学1年)がチームを銀メダルに導いた。今年は絈野という大エースが抜けたものの、インターハイと「U18日清食品トップリーグ2024」で準優勝。今大会は京都精華学園高校(京都府)の3連覇を阻止する有力候補でもあり、2018年以来のウインターカップ優勝へ大きな期待がかかる。

 岐阜女子と言えば、伝統の粘り強いチームディフェンスが最大の強み。今夏のインターハイを振り返っても計5試合すべてで相手を60得点以下に抑え込み、そのうちの3試合は40点台という守備力を見せつけた。

 チームをリードするのはキャプテンを務める林琴美(4年)。しかし、試合での林はベンチスタートが濃厚。スターティングファイブを担うのは3年生2名、2年生3名という比較的若い布陣になりそうだ。

 攻守両面で中心を担うのはシューティングガードの安藤美優(3年)。171センチの岡田紬葵(3年)は攻撃力があり、3ポイントシュートやスピードのあるドライブからスコアを重ねる。2年生3名も粒ぞろいで、ポイントガードの小松美羽は鋭い読みを生かしたスティールも得意。杉浦結菜はU17日本代表に選ばれ、インターハイ前には「FIBA U17 女子ワールドカップ 2024」に出場した。インサイドの守備で奮闘する三宅香菜は状況判断力に優れ、攻撃ではアシストや周りとの合わせのプレーが光る。

 チームには3年生センターのディヤイ ネイがいるが、9月以降はコンディションが上がらず欠場が続いた。それでも、岐阜女子はU18日清食品トップリーグで桜花学園高校(愛知県)から勝利を収めるなど、チーム力の高さは健在。指揮を執る安江満夫コーチは、「留学生がいなくても桜花さんに勝てたことはチームにとっても大きかったです。(ウインターカップでも)日本人だけでも十分戦えると思います」と手応えをつかんだ。

 今大会は第2シードから悲願の日本一を目指す。初戦となる2回戦から東海大学付属福岡高校(福岡県)と日本航空高校北海道(北海道)の勝者という手強い相手だが、安江コーチは笑顔を見せ、1年の集大成となる大舞台を見据える。

「どのチームと対戦してもシビアな戦いになると思っていますので、そういった試合をさせていただけることに感謝して頑張ります」

文=小沼克年