才木の能力に疑いの余地はない。あとは継続してアピールするだけだ(C)産経新聞社 阪神の才木浩人が12月20日、兵庫県西宮市の球団事務所で契約交渉を行い、今季年俸5000万円から2.4倍となる推定年俸1億2000万円で来季契約を更改した。交渉…
才木の能力に疑いの余地はない。あとは継続してアピールするだけだ(C)産経新聞社
阪神の才木浩人が12月20日、兵庫県西宮市の球団事務所で契約交渉を行い、今季年俸5000万円から2.4倍となる推定年俸1億2000万円で来季契約を更改した。交渉の席上では、球団側に初めて将来的なメジャー挑戦の意向を伝えたという。
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才木は今季、初めて離脱することなく、先発ローテーションの柱として回った。25試合に登板して、自身初2桁の13勝3敗。初の規定投球回もクリアし、167回2/3を投げて、防御率1.83という好成績を収めた。
名実ともに阪神のエースへと成長し、強力先発投手陣の先頭に立った。ただし、前述の通り年間通して投げたのは今年が初めて。2020年11月には右肘のトミー・ジョン手術を受けており、一時は育成選手となって長期離脱を余儀なくされた。
神戸の須磨翔風高から2016年ドラフト3位で指名された来季プロ9年目ながら、フリーエージェント(FA)権取得のための1軍登録日数は少ない。実質3シーズン+αで、海外FA権取得には少なくとも来季から6シーズンはフル稼働することが必要。そうなると最短でも2030年シーズン終了後。その時点では才木は32歳となっており、33歳シーズンでのメジャー挑戦となってしまう。
つい先日、オリオールズと1年契約に合意した菅野智之は現在35歳で、36歳シーズンでのメジャー挑戦を来季迎える。それよりは3歳若くはあるが、あまりに先の話すぎて現実的ではない。あくまで才木が求めていくのは、ポスティングシステムによる早期メジャー挑戦とみられる。
過去に阪神から同システムでメジャー移籍した投手は、井川慶と藤浪晋太郎の2人。藤川球児監督は海外FA権を行使しての挑戦だった。また、このオフは青柳晃洋がポスティングシステムを申請し、メジャー球団との交渉に臨んでいる最中ではある。
焦点は球団がいつ、才木の意をくんでポスティングシステムの申請を認めるのか。少なくともあと数年、今季同様にエースとしての働きを続けて、勝利に貢献する必要がある。ファンの後押しも受けるため、チームを優勝に求める圧倒的なパフォーマンスがどれだけ示せるか。数字を積み上げれば、球団側もかたくなに拒み続けにくい空気が醸成されていく。
この日、初めて球団へ将来の米球界志向を伝えたのは、そのためのはじめの一歩。次はマウンド上で白星を積み上げていくことが、地道でも夢への近道となっていきそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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