「まずはテキサスの家にタオルとトイレットペーパーを買って、車も用意して…。飛行機代にホテル代、もうお金がかかってビックリしちゃう」。来年の米シニアツアー(チャンピオンズツアー)転戦費用を『ChatGPT』で計算したらげんなりしたが、新生活…
「まずはテキサスの家にタオルとトイレットペーパーを買って、車も用意して…。飛行機代にホテル代、もうお金がかかってビックリしちゃう」。来年の米シニアツアー(チャンピオンズツアー)転戦費用を『ChatGPT』で計算したらげんなりしたが、新生活の準備を進める藤田寛之は生き生きして見えた。
20日は契約するヤマハ主催のファンイベント「Yamaha GOLF Fan Summit 2024」に参加。「ファンの方とのチーム戦は唯一無二。絶対に成功させたいイベントです」とファンとの交流を楽しみながら、1カ月半後に始まる海外転戦にも思いを巡らせた。
藤田は今季米シニアツアー6試合に出場し、年間ポイントランキング33位で来季の出場資格を手に入れた。優勝者らに出場が限られる開幕戦「三菱電機選手権」(1月18~20日/ハワイ・フアラライGC)を除いて、来季は27試合(プレーオフシリーズ全3試合を含む)にフル参戦する予定を組んでいる。「一回どっぷり、アメリカっていうのに浸かってみたい」と、テキサス州ダラスにレンタルハウスを手配。1月に新たな拠点で生活環境を整えてから、自身の初戦となる翌月の「ハッサンIIトロフィー」(2月6~8日/ロイヤルゴルフ・ダール・エス・サラム)に向けてモロッコに飛ぶ。
米シニアの先輩には青木功や倉本昌弘らがいるが、ここ数年はツアーメンバーとして戦った日本人選手はいない。「初めてのことだし、何を準備していいのか分からないから、いろいろ想像しながら。まずは、急に訪れたチャンスを楽しむことが第一目標」。不安もある中で、はじめての米ツアー転戦はとにかく新しい環境を味わうことと決めている。
「自分を追い詰めてトレーニングするとか、ひたすら球を打ち続けるとかじゃなくて。もうこの年だから、無理せず楽しむこと。…それくらい、許してください」と笑ったが、最高峰の舞台で迎える新シーズンが待ち遠しい。
下の世代では、星野陸也、金谷拓実、大西魁斗が新たに米ツアーに挑戦する。「本当に、国際化が進んでますよね。そのなかでも、やっぱり、一番行けないのはチャンピオンズツアーですから」。来季シードを得るトップ36の狭き門をくぐり抜けた55歳は、不敵に笑った。(編集部・谷口愛純)