角田は昇格を果たせなかった(C)Getty Images F1に参戦するレッドブルが19日、RBのリアム・ローソン(ニュージーランド)をエースのマックス・フェルスタッペンのチームメートに起用すると正式発表した。今季限りで契約を打ち切られたセ…

角田は昇格を果たせなかった(C)Getty Images

 F1に参戦するレッドブルが19日、RBのリアム・ローソン(ニュージーランド)をエースのマックス・フェルスタッペンのチームメートに起用すると正式発表した。今季限りで契約を打ち切られたセルジオ・ペレス(メキシコ)の後任人事が注目を集めたが、期待されていた角田裕毅は昇格を果たせず、来季もRB(レーシングブルズ)のマシンをドライブすることになった。

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 スポーツ専門局ESPNの電子版によると、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は最終候補が角田とローソンの2人だったことを認め、「2人はかなり僅差だった」と話した。ローソンを選んだ決め手は将来のポテンシャルだったという。今季はダニエル・リカルドの後釜として終盤6戦に出場。「レースペースがわずかながら(角田より)優れていた。まだF1で11戦しか走っていないことを踏まえると大きなポテンシャルがある。それに精神的にもタフだ」と評価。さらに強みの一つとしてレーステクニックを挙げ、「ホイールトゥホイールの戦いを恐れず、タイヤが触れることもいとわない」と持ち上げた。

 一方の角田は6戦中4戦でローソンの決勝成績を上回り、最終戦アブダビGP後に行われた合同テストでレッドブルのマシンを初めてテスト走行。的確にマシンの状態を判断するフィードバックの面で現場のエンジニア陣から高い評価を得た。ところがテストをした時点でローソンの起用が固まっていたようで、F1の公式ホームページでは「ホンダ幹部らがレッドブルに角田の昇格を訴えたもよう」と猛プッシュしたが、決定が覆ることはなかった。

 角田のレッドブル入りはついえたかに見えるが、そうでもない。レッドブルはセカンドドライバーの人選で成功したことが少ないからだ。フェルスタッペンのチームメートに起用されたピエール・ガスリー(アルピーヌ)、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)はのちに不適格のレッテルを貼られて解雇。ペレスも2001年から通算5勝を挙げたが、今季は第5戦中国GPを最後に表彰台がなく、いったんは来季の残留が発表されながらパフォーマンス不足を理由に契約を打ち切られた。

 ローソンは昨季から計11戦にRBの一員として出場したが、いずれもシーズン後半戦。欧州のF1は23年にオランダ、イタリアの2戦を経験したのみだ。これではペレスよりもチームの足を引っ張る可能性があり、苦戦が続けばシーズン中に角田とスイッチすることも十分にあり得る。

 今季のレッドブルはシーズン後半で大失速し、第11戦以降はわずか2勝。この惨状を踏まえれば、来季はかなり苦戦する恐れもある。ローソンでは事態を打開できないと判断されれば、おのずと角田にお鉢が回ってくる。果報は寝て待てだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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