8月に行われた「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」では並いる強豪を破り、初の準優勝…
8月に行われた「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」では並いる強豪を破り、初の準優勝に輝いた美濃加茂高校(岐阜県)。今年は3年生を中心にチームとしてまとまりを見せるが、その内の一人が後藤宙(3年)だ。
山形県出身のポイントガードは、高い身体能力を持ち、速い攻めに欠かすことのできない存在。勝負強く外角シュートを沈めるなど得点力も光る。11月の「U18日清食品トップリーグ」では最終戦で福岡第一高校(福岡県)と延長にもつれる接戦を演じたが、17得点6リバウンド3アシストをマーク。自身は「大事なところでターンオーバーをしてしまった」と試合後は反省の言葉が多く出たが、攻防において勝利に貢献する働きを見せた。
この試合では第1クォーターでいきなり10点以上のビハインドを負ったり、最後の最後で同点に追いついて延長へ持ち込んだりと幾度となく劣勢の場面を迎えたが、それを乗り越えて勝ちをつかむ選手たちには、どこか自信のようなものを感じさせた。これについて後藤も「(インターハイを)準優勝したことで自信がつき、試合前の緊張などはだいぶ軽減されているのかなと思います」と、言う。
ただ、後藤自身はケガの影響もあり、「体のケアをしきれなかったことで自分のプレーが思うようにできなかったので、悔しい思いが一番にきます」と、インターハイでは納得の行くプレーとまではいかなかった。だからこそ、高校最後の全国大会となるウインターカップには「足使ってチームを引っ張っていければ」と、思いも強い。
林龍幸コーチからも求められているチームメートへの声掛けといったリーダーシップはもとより、足を使ってプレーする姿を「背中で見せたい」と、意気込む後藤。「まずは美濃加茂らしさを出して。会場の人を巻き込むような、そういうプレーをしていきたいです」と、夏は後一歩届かなかった日本一に向けて気持ちを新たにしている。
文=田島早苗