井上に対する挑発を繰り返し続けるアフマダリエフ。(C)Getty Images 自分本位な発言を繰り返す元世界王者が波紋を呼んでいる。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)を挑発し続けるWBA同級暫定王者のムロジ…

井上に対する挑発を繰り返し続けるアフマダリエフ。(C)Getty Images

 自分本位な発言を繰り返す元世界王者が波紋を呼んでいる。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)を挑発し続けるWBA同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)だ。

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 自身が対戦を望む“モンスター”に対して、アフマダリエフは再三にわたって挑発を繰り返している。リカルド・エスピノサ(メキシコ)に3回TKOで快勝を収めた今月14日の暫定王座決定戦後には井上に向け、「イノウエ、なぜ俺を避けるんだ? 最強の選手は最強の選手と戦うべきだ。俺が義務だ。俺のベルトはどこだ?」とメッセージ。

 これに呼応した井上が自身のXで「なんでタパレスに負けたやつから逃げなきゃいけないんだ。必要性がゼロだろ…」「戦いたいなら『価値』キープして待っとけ!!」と反論。すると、アフマダリエフもXで「君は2度とも避けた。武士道を尊重し、サムライとして行動するなら、いまや切腹が唯一の道だ」と反応。王者に対して刺激的な言動を繰り返した。

 ただ、井上の言う通り、判定決着であったとはいえ、昨年3月のタパレス戦でアフマダリエフが王座から陥落したのは紛れもない事実。ゆえに一方的に対戦を要求し続ける30歳のウズベキスタン人戦士への視線は海外でも冷ややかだ。

 米ボクシング専門サイト『BOXINGNEWS 24/7』は「ナオヤ・イノウエはアフマダリエフを実際に避けているのだろうか? 多くのファン、専門家、そしてファイター仲間たち、ほとんどの人にとって、世界最強に君臨する『モンスター』が誰かを避けるという考え方自体が、馬鹿馬鹿しいとしか言いようがない」と指摘。身勝手なアフマダリエフの言動に苦言を呈している。

 同じく米ボクシング専門サイト『Boxing News 24』は、アフマダリエフのプロモーターを務める英興行大手『Matchroom Boxing』のエディ・ハーンCEOを問題視。「14日の試合後のインタビューで『ウズベキスタンのパワーだ』などとくだらない言葉を並べ、日本のスターがアフマダリエフと防衛戦をしなければならないと主張した」と振り返った上で、辛辣な批判を展開している。

「もちろん、タパレスとの試合で負けたのはイノウエのせいではない。ムロジョンがタパレス戦でやるべきことをしていれば、問題はなかったのだ。そして、エスピノサの実力はトップクラスではなく、アフマダリエフを純金の24金のように見せるために招集された選手に過ぎなかった。そのことにイノウエは騙されなかった。彼は戦いの本質を見抜き、執拗な挑発に屈服するつもりもない」

 すでに来年1月24日に延期になったWBO&IBF世界同級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)に集中する意向を示している井上。毅然とした王者の態度にアフマダリエフ陣営は苛立ちを隠せないのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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