第69回有馬記念(22日/GI、中山芝2500m)には、天皇賞・秋とジャパンCを制したハーツクライ産駒のドウデュースや、菊花賞馬の称号を引っ提げて臨むスワーヴリチャード産駒のアーバンシック、今年のダービー馬でエピファネイア産駒のダノンデサイルなど暮れのグランプリにふさわしい好メンバーが集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■リファールクロスの粘り強さを評価

小回り&非根幹の中山2500mということで、基本的には位置を取った馬の方が有利なレース。そして「リファールな先行馬」が強いレースでもある。

古くはハーツクライ(母母父リファール)がディープインパクトを下した05年が代表例。最近だとジェンティルドンナ(リファール4×4)やキタサンブラック(リファール4×4)、イクイノックス(リファール5+5×4)もそうだし、直線向いた時点で好位置にいたということであれば、ドウデュース(リファール4×4)もこれに当てはまる。

令和の時代ともなるとリファールも血統表の奥の方に引っ込んでいることがほとんどで、リファールを1本引いているからどうこうという話ではないものの、例えばディープやハーツを使ってリファールのクロスをデザインした先行馬はかなり推せる印象。

同じ中山が舞台のセントライト記念の動画や予想でも似たような話をしたのだが、ここも正しくそのイメージ。リファールクロスの粘り強さを評価する方向性で検討を進めたい。

■リファールのクロスを抱えるプログノーシス

プログノーシスは昨年の天皇賞・秋以来の国内GIに挑むディープインパクト産駒。半姉にはイギリスの2歳GI・チヴァリーパークS勝ちのヴォルダがいる。

母からヴェイグリーノーブルを入れて「バークレア≒ヴェイグリーノーブル」のニアリークロスにしたディープインパクト牡馬は、トーセンラー&スピルバーグ兄弟やヨーホーレイクなど古馬になってからの成長力に強みがある。

また男馬にスタミナを伝える組み合わせであるためか、このパターンの牡馬は2000m以上のレースで結果を残す傾向も。上述の3頭はいずれも2200m以上の重賞で好成績を残していたし、この他にもステイヤーズSを筆頭に長距離重賞で好走を続けたファタモルガーナや、今年の大阪-ハンブルクCを制したレッドバリエンテなどが出ている。

なのでプログノーシスも2500mは守備範囲なのでは? と考える次第。加えて母からマクリ血統ロベルトが入るうえ、ディープ×短距離向き母の組み合わせは機動力を活かせるコースでこその印象も。初の舞台とはいえ中山2500mは十分に対応できると見ている。

幾度となく挑んだ香港のGIではいずれも地元の雄・ロマンチックウォリアーに跳ね返されてきたわけだが、それぞれの着差を見てみると昨年のQE2世Cが2馬身差、昨年の香港Cが1馬身差、今年のQE2世Cがクビ差という結果。

ちなみに今年の香港Cにおけるロマンチックウォリアーと3着タスティエーラの着差は2馬身3/4差。そのタスティエーラは秋天でドウデュースと1馬身1/4差だったので、単純計算ではドウデュースとプログノーシスはほぼ横並び。

さらにはジャパンCでドウデュースとクビ差だったドゥレッツァをプログノーシスは金鯱賞で(斤量差があったとはいえ)5馬身千切っているのだから、打点の高さでドウデュースに迫れる馬がいるならば、この馬がその筆頭候補だと思うわけで。

海外遠征からの帰国初戦や主戦からの手替わりなど不安要素はあるものの、最高打点だけ追いかけるならば、この馬を外すわけにはいかないだろう。

そして何より気になるのがリファールのクロスを抱えている点。それが前走のコックスプレートでは突如として先行策に打って出たわけで。あの積極策が「前受けリファール」としての覚醒の序章だったのでは……? ともちょっと思ったり。

もちろん先行しないにしてもドウデュースの後ろをくっついていって4角5番手くらいに陣取れれば十分にチャンスはあるだろう。騎手としての初勝利を中山芝2500mで挙げた三浦皇成が、念願の初GI勝利を同じく中山芝2500mで挙げるシーンに期待する手も。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上 【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。