MLB移籍の行方が注目される佐々木。(C)産経新聞社代理人が語る「プライオリティ」とは? 現地時間12月15日、MLBの2024年の国際契約期間が終了した。これにより今オフにポスティングシステムでのメジャー移籍が決まった佐々木朗希は、来年1…

 

MLB移籍の行方が注目される佐々木。(C)産経新聞社

 

代理人が語る「プライオリティ」とは?

 現地時間12月15日、MLBの2024年の国際契約期間が終了した。これにより今オフにポスティングシステムでのメジャー移籍が決まった佐々木朗希は、来年1月15日午後11時(日本時間)から始まる2024年の国際契約期間内での契約締結になる運びになった。

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 契約更改を固辞した昨オフに続き、2年連続での“越年”が決まった佐々木。しかし、すでにポスティングを公示している今オフは当然ながら1年前とは意味合いが異なる。代理人を務めるジョエル・ウルフ氏が「30チームではないが、20チーム以上」と明言するように、相当数の球団による争奪戦が水面下で繰り広げられ、MLB球団を選ぶ立場にいるのだ。

 熾烈を極める“令和の怪物”の争奪戦。その中にあって注目を集めるのは、ビッグマーケットを持たない球団の参戦だ。現地時間12月10日の会見で佐々木の意向を代弁したウルフ氏は、「チーム選びのプライオリティ」について問われた際に、「ヤマモトやセンガの場合は契約内容が議論の大部分を占めていた。ただ、ササキの場合、金額は最後の部分に過ぎない」と回答。そして、次のように続けている。

「今、状況は逆転した。彼を欲しがっている他のすべてのチームの方が様子を見なければならない。私にとっては少し楽しい経験になっているが、ロウキは自分が行きたいところを選べる。どのチームにも(金銭的な)余裕があり、文字通り選手が自分の好きなチームを選べるような状況は今まで経験したことがない」

 つまり交渉を左右するのは佐々木の求めに合致するか否か。それゆえに多くの球団が獲得競争に参戦しているわけである。

 24年のMLBで“最弱”となった名門も獲得に本腰を入れている。レギュラーシーズンで121敗を喫したホワイトソックスだ。

 今オフもエース左腕のギャレット・クロシェをトレードでレッドソックスに放出したホワイトソックスは、再建期の真っただ中にある。だが、海外のスカウティングなどを統括するデビッド・ケラーGM特別補佐は、MLB公式サイトで「明らかにササキは最高の才能の持ち主だ」と明言。佐々木に対する関心を隠そうとしていない。

「彼のパフォーマンス、そして若さとポテンシャルという点で彼がチームにもたらすものは本当に素晴らしい。そんな選手を、あの価格で獲得できるチャンスがあるのだから、どのチームも狙うのは必然だ。私が言えるのは、彼はまだ若い投手であり、健康面で努力をするべき投手であるということ。それさえ実現すれば、彼の投球力と能力が全て物語るだろう」

ホワイトソックスは日米を知るレジェンドを頼りに?

 ケラーGM特別補佐の言う「あの価格で獲得できるチャンスがあるのだから」は、中小市場を持つ球団にとっての“本音”だろう。

 日米の違いはあれど、プロで5年のキャリアを重ね、相手打者を翻弄してきた実績を持つ投手を“安価”で獲得できる点は魅力。NPBで規定投球回達成未経験という耐久性への懸念はあるが、それを差し引いても余りあるポテンシャルを持つ投手が、ボーナスプールの使用が必要となる国際FA市場に出てくる機会はそうそうない。ゆえに争奪戦は熱を帯びていると言えよう

 もっとも、再建期にあるホワイトソックスが、どう佐々木側にアプローチをするかは興味深いところだ。単純に「勝てる」という面では、獲得が囁かれるドジャースやヤンキース、メッツ、パドレスと比べると見劣りする。

 MLB公式サイトのホワイトソックス番を務めるスコット・マーキン記者は、「ササキが加われば、再建途中のチームにとって大きなプラスとなる」と断言。続けざまに「ホワイトソックス、そしてササキと共通の繋がりがある」として元ロッテの井口資仁氏の名を挙げた。

 たしかに井口氏は佐々木との結びつきは深い。2019年にプロ入りした際にロッテを指揮していた同氏は、しっかりとした綿密に組まれた育成プランを遂行。超逸材を慎重かつ丁寧に扱い続け、その後の飛躍の足掛かりを生んだ。

 2005年に達成したホワイトソックスの世界一の優勝メンバーでもある井口氏だけに、マーキン記者は、何らかの橋渡し役としての貢献を期待するのかもしれない。「イグチは、メディア業界で活動をしているこの2、3年、アリゾナ州グレンデールで行われているホワイトソックスの春季キャンプを訪れており、球団関係者からの評価は依然として高く、信頼されている」と記している。

 実際に井口氏が介入する余地があるかは不透明だが、「信頼が厚い」というホワイトソックスが交渉において、レジェンドを頼りにする可能性はゼロではないだろう。

 自身の夢であったMLBでのキャリアをどこでスタートさせるのか。日本時間で来年1月24日の午前7時までに下される佐々木の決断への関心は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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