LIVゴルフリーグに、ことしシード選手として出場した香妻陣一朗。最終的にポイントランキングは45位に終わり、24位以内のシード圏内に入ることはできなかった。25~48位はオープンゾーンでトレードか放出対象…。来季の出場権をかけてQT出場の…

LIV残留を決めた香妻陣一朗(写真は2024年日本オープン)

LIVゴルフリーグに、ことしシード選手として出場した香妻陣一朗。最終的にポイントランキングは45位に終わり、24位以内のシード圏内に入ることはできなかった。25~48位はオープンゾーンでトレードか放出対象…。来季の出場権をかけてQT出場の準備を進めていたが、急転直下で残留が決まった。その背景に何があったのか。本人を直撃した。

――残留が決まったのはいつですか?

ちょうど日本シリーズをやっていた時期でしたので、11月の下旬ぐらいですかね。ケビン(香妻が所属する「アイアンヘッズ」キャプテンのケビン・ナ)から電話がかかってきて、「ジーニー(香妻の愛称)を残すことにしたよ。来年も一緒にプレーできるのをうれしく思うよ」って。彼からいきなり電話がかかってくることはないので、かかってきた時点で「あ、もう残留できるのかな」って思いました。

――QTを受ける準備していたんですよね?

そうですね。ケビンから「韓国人チームを作りたい」というのをずっと言われていたので、僕も半ばあきらめていました。11月から12月にかけて中東で3連戦(アジアンツアーのインターナショナルシリーズ カタール、PIFサウジ・インターナショナル、LIVゴルフリーグ予選会)を予定していたけど、最後のLIV予選会に出ずに帰ってきました。

――残留が決まった時の心境は?

めちゃくちゃうれしかったですよね。QTは本当に狭き門(上位1枠)ですし、正直受けたくなかった。でもギリギリまで結論が出なかったということは、(自分の処遇が)天秤にかけられていたんだなと思うんです。ケビンが考えていた韓国人チームという思惑だけでなく、他の有力選手を連れてくるなどのLIV上層部の思惑もあったでしょうし。最終的に自分が選ばれたというのは、ことしのチーム戦最終戦の活躍を評価してくれたんじゃないかなと思います。最後のパットがなかったら結果も違ったんじゃないかな(香妻は最終戦のチーム戦で、劇的なミドルパットを2本決めてチームを準優勝に導いた)。その意味では自分でつかみとった結果でもあるし、最後まであきらめなかったのは無駄じゃなかったですね。

2024年シーズン最終戦。香妻陣一朗が所属するアイアンヘッズGC(左)は大健闘の2位タイ(Chris Trotman/LIV Golf)

――LIV側とも話をしましたか?

特に何もないですね。残留発表の2日前ぐらいに、メールで契約書が送られてきて、そこに電子サインして送り返しただけです。

――来季もLIVで戦うことになって、改めてどんな気持ちですか?

ことしも最後のほうは本当にいいゴルフができていて、あのフィールドの中でも戦えていた感覚がありました。ですから来年はもっと上にいけるんじゃないかなと自分でも期待しています。来年はLIVの選手の中でも、もっと目立っていきたいです。開幕まであと2カ月もないですが、そこまでにもうちょっと体を鍛えようかなと思っています。

――飛距離を上げたいということ?

(飛距離が)僕ぐらいの選手はいっぱいいるので、飛ばしというよりは安定感ですね。1年間戦う上での体作り。今もそうなんですが、慢性的に腰が痛くて、なかなかシーズンを通して万全の状態で戦えていませんでした。他の選手を見ていても、体幹が強いなと思うので、全身をもっと鍛えて、体幹を強くしていきたいです。

来季もこんなガッツポーズが見られるか(写真は2024年9月チームチャンピオンシップダラス)

――具体的な目標は?

自力で残れる24位以内を“マスト”で目指して、その中で優勝でも出来たら最高だなと考えています。

――「アイアンヘッズ」に新しくチャン・ユビンという韓国人選手が加入しました。彼と面識は?

元々会ったことはなかったですが、韓国ツアーのトップ選手が入ってくるというのはケビンから聞いていました。ユビンはPGAツアーに行くか迷っていたみたいですけど、ケビンが説得して、LIVで戦うことに決めたみたいです。実は、この前のサウジの試合に彼も出ていたので、ケビンとかとも一緒に練習ラウンドしたんですよ。

――実際に会ってどんな印象でしたか?

すごくシャイボーイっていう印象ですね。向こうもあまり英語がしゃべれないので、円滑に話はできていないですけど、「アイアンヘッズに入れてすごくハッピーです」みたいな話をしていました。こちらも「来年よろしくね」というやり取りはしました。

――どんなプレーヤーでしたか?

飛距離は310か320ydぐらい飛んで、僕よりだいぶ前にいっていましたね。まさにショットメーカーでポテンシャルはすごそう。韓国でNO.1(賞金&ポイントランク)を取ったと聞いてますし、彼が入ってくれたら来年はチーム戦も期待できそうです。

――他に移籍の噂などは聞いていますか?

(トニー・)フィナウが入ってくるとか、ファイヤーボールズ(セルヒオ・ガルシア主将/スペイン)に誰か入ってくるとか、そんな情報が飛び交っています。あと、アンソニー・キムがどっかのチームに入るとか。チームの枠が増える話もあり、その手の情報が先に出ること自体がLIVっぽいですよね。昨年もジョン・ラーム(スペイン)の移籍の噂が流れたとき、ジョンは否定していましたが、結局移籍しましたからね。今流れている噂はけっこう当たるんじゃないかなって、個人的に思っています(笑)。

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LIVゴルフリーグの2025年はサウジアラビアの「リヤド」(2月6~8日)から開幕予定。まだ全日程の詳細や出場チーム、出場選手などは発表されていないが、新しく韓国での開催も決まるなど拡大傾向にある。