巨人での日本一にこだわったR・マルティネス。(C)産経新聞社 本人の入団公表によって、日本球界で注目を集めた去就問題は一つの決着を見た。 現地時間12月14日、今オフに中日からの自由契約を決断していたライデル・マルティネスが、キューバ・メデ…
巨人での日本一にこだわったR・マルティネス。(C)産経新聞社
本人の入団公表によって、日本球界で注目を集めた去就問題は一つの決着を見た。
現地時間12月14日、今オフに中日からの自由契約を決断していたライデル・マルティネスが、キューバ・メディア『Pelota Cuba』のインタビューで「読売ジャイアンツの一員になれたことを誇りに思う。彼らはセントラル・リーグで最高のチームの一つで、常にプレーオフに出場している」と明言。以前から囁かれていた2年1600万ドル(約24億円)の巨額契約締結が確定的となった。
28歳となった24年シーズンにキャリアハイの60試合に登板。防御率1.09、WHIP0.81、43セーブを記録した竜の守護神には、4年総額40億円超の高額契約を提示した中日をはじめ、ソフトバンク、DeNA、そして巨人が争奪戦を展開。さらに全米野球記者協会のメンバーであるフランシス・ロメロ記者は、「関係者によればMLB市場では5~6年の複数年契約で5000万ドル~7000万ドル(約75億円~105億円)だった」とXで投稿。米球界からも関心が寄せられていたことも明らかになった。
MLB球団からも「100億円」規模の評価が下されていた剛腕クローザー。それでも「自分の夢は日本シリーズに出場して優勝すること。だから、これは自分にとって非常に良い機会」と『Pelota Cuba』で明かしたR・マルティネスは、巨人の単年12億円前後となる高額オファーにサインした。
巨人にとっては、まさに「鬼に金棒」の補強に成功したと言えよう。FA市場参戦を決めた今オフは、獲得を目指した大山悠輔や石川柊太との契約にことごとく失敗。やや苦戦を余儀なくされたが、クローザーに最大限の“誠意”を見せた。
念願の補強は、他球団垂涎の「勝利の方程式」の誕生を可能にする。7回は今オフに契約延長を決めたカイル・ケラーが投げ、8回には24年に29セーブを挙げた大勢を配置。そして9回を絶対的守護神となるR・マルティネスが締める。2005年に一世を風靡した阪神の「JFK(ジェフ・ウィリアムズ、藤川球児、久保田智之の方程式)以来の絶望感を相手に与える投手構想は可能となる。しっかりと機能すれば、これほど恐ろしいものはない。
そもそも巨人の中継ぎ陣はR・マルティネスなしでも盤石ではあった。先述の投手たちのほかに、アルベルト・バルドナード(26H)、高梨雄平(25H)、新人王に輝いた船迫大雅(22H)、西舘勇陽(20H)としっかりと底上げはされている。実際、24年の中継ぎ陣のチーム防御率はセ・リーグ2位の2.27。そこに他でもない同防御率リーグ1位を誇った中日から絶対的守護神を引き抜くことで戦力のアップは必然なのである。
現役時代に扇の要として絶大な存在感を誇った阿部慎之助監督が標榜する「守り勝つ野球」。これをより強固にするR・マルティネスの獲得。マネーゲームによるリスクを冒したことで、悲願の日本一に向けた最強のピースが埋まったと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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