井上に追い込まれ、成す術なく強打に沈んだドヘニー。(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext“モンスター”による世界屈指の強打を浴びた名手が、その凄みを語った。 声の主は、元IBF世界スーパーバンタム級王者のテレンス・…
井上に追い込まれ、成す術なく強打に沈んだドヘニー。(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext
“モンスター”による世界屈指の強打を浴びた名手が、その凄みを語った。
声の主は、元IBF世界スーパーバンタム級王者のテレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)だ。今年9月3日に東京・有明アリーナで行われたボクシングの世界同級4団体王座戦で、統一王者の井上尚弥(大橋)に7回TKO負けした38歳である。
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戦前に「歴史を作る」と力強く意気込んでいたドヘニーだったが、試合では防戦一方のまま。成す術なく敗れた。
試合後に井上が「自分が理想としていた終わり方ではない。ちょっと中途半端な終わり方になってしまった」と漏らしたように元世界王は消極的にも見えるアウトボクシングを徹底。なんとかカウンターによる一撃を食らわす隙を模索したが、6回に猛ラッシュで畳みかけられると、続く7回にコーナーで連打を被弾。この猛攻に屈したドヘニーは腰付近を押さえながらゆっくりと膝をついてダウンし、自身初のTKO負けを喫した。
自力で立てず、関係者2人の肩を借りながら会場を去った本人が「いきなり右足が使えなくなった」と漏らした井上のパワー。その破壊力は今もドヘニーの脳裏に焼き付いている。
現地時間12月13日に英メディア『Seconds Out』の取材に応じたアイルランドの名手は「不運にも6ラウンドの終わりにパンチを受けた。あれは自分のせいだったと思う。ターンしている時には、パンチが背中に回り込んでいたからね」とダメージを負った場面を回想。その上で、次のように“モンスター”の凄みを口にしている。
「頭に何発か食らったが、そこまでくらくらするという感じではなかった。でも、イノウエにパワーがないなんて言いたくない。ひとつ、間違いなく言えることは、彼のパンチの打ちどころ、正確性は本当に凄い。彼は常に正しい場所にパンチを打ち込んでいた」
ウイークポイントに確実に打ち込む、力任せではない強打。そんな井上の技術力にドヘニーは、脱帽しっぱなしであった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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