NPB時代の成績にフォーカスし、佐々木の現状に懸念を示す声は小さくない。(C)産経新聞社 本格的な交渉が解禁となり、“令和の怪物”に対する関心はより一層強まっている。 現地時間12月10日、今オフにロッテからのメジャ…
NPB時代の成績にフォーカスし、佐々木の現状に懸念を示す声は小さくない。(C)産経新聞社
本格的な交渉が解禁となり、“令和の怪物”に対する関心はより一層強まっている。
現地時間12月10日、今オフにロッテからのメジャー移籍を目指す佐々木朗希がポスティングシステムを正式に公示。来年1月23日までの45日間での契約を目指す流れとなった。
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獲得に諸手を挙げる球団は枚挙に暇がない。現地時間12月10日に米テキサス州ダラスのウインターミーティングの場で会見を開いたジョエル・ウルフ代理人は「すべてのチームが彼を欲しがっていて、支払う余裕もあるが、私たちが選ぶことができる。私は非常に良い立場にいる」と明言。20チーム以上が関心を示している交渉の現状を明かした。
MLBが設ける労使協定の「25歳ルール」によって、佐々木との交渉は契約金を含めた上限が年間500万ドル(約7億2500万円)以下に制限される。そのため、ビッグマーケットを持つ球団以外にも獲得交渉の余地があるのだ。
破格の契約を結べる現状も後押しし、米球界では「佐々木旋風」が吹き荒れている。一方で、佐々木に対する慎重な見方をするメディアも存在する。米スポーツ専門局『CBS Sports』は「長期的にはポール・スキーンズ(パイレーツ)を除けば、誰よりもすごい成長をするかもしれない逸材」と23歳の怪腕の持つポテンシャルを称賛しつつも、「ササキは1年前のヤマモトと同格ではない」と断じた。
「ササキは少し過大評価されている傾向にある。あまりに多くの人々が1年前のヨシノブ・ヤマモトのような見方をしているが、来季の時点で彼(佐々木)が周囲の思っているようなエース級の働きをする可能性は低い。日本での実績はヤマモトと比べれば、雲泥の差だ」
両者を比較した同局は「球場による有利不利の要素を加味し、リーグ平均を100で換算した防御率」を示す『ERA+』という指標を引用。山本由伸が日本での最終3年間で250(21年)、188(22年)、272(23年)と記録したのに対し、佐々木が156(22年)、177(23年)、129(24年)であったと紹介。「ササキは依然として未完成の投手である。故障で直近2年間は91と111イニングだけしか消化しておらず、中4日で投げた経験もない。メジャーへの適応段階うんぬんを抜きにしても、非常にリスキーだ」とした。
そして、同局は現時点での佐々木に対する過度な期待に警鐘を鳴らしている。
「並外れた期待を抱えてメジャーにやってくるササキに対して『世代を代表する才能となる可能性のある選手を見逃したくない』と願う気持ちは理解できる。しかし、2025年だけを予想するなら、彼に140イニング以上の活躍を期待するのは難しい。彼はある意味で『ミステリーボックス』を体現する存在だ。何にでもなれるが、彼は自分の足場を見つけるのに苦労するかもしれないし、リーグを席巻して満場一致の新人王になる可能性もある」
NPBで規定投球回数を超えた経験がなく、懸念の声は小さくない佐々木。そうした予測を吹き飛ばす意味でも、地に足のついた活躍が可能となる新天地の選定が何よりも重要になるのは間違いない。
果たして、令和の怪物は一大フィーバーの中でいかなる決断を下すだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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