第76回朝日杯フューチュリティステークス(15日/GI、京都芝1600m)には、無敗で2歳GI制覇を狙うアルテヴェローチェ、黄菊賞圧勝のミュージアムマイル、良血アルレッキーノなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「アルレッキーノ」を取り上げる。
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■アルレッキーノ
【中間調整】半兄に新潟記念勝ちノッキングポイント、そして一つ上の半姉が2冠牝馬チェルヴィニアという良血馬。デビュー戦は2着に終わったが、勝ち馬は後に東京スポーツ杯2歳Sを制すクロワデュノールなら単純に相手が悪かった。続く未勝利戦は単勝オッズ1.1倍の期待に応え、7馬身差の圧勝。続く重賞初挑戦のサウジアラビアRCでも断然の1番人気に支持されるも、ここでは0秒3差5着に終わっている。新馬戦、未勝利戦が逃げる形だったが、サウジアラビアRCはあえて控える戦法に出た分、馬が行きたがってしまいチグハグとなったのが敗因か。
賞金的には未勝利勝ちのみの立場だが、陣営は予定通り朝日杯FSへ駒を進めることに。ノーザンファーム天栄へ短期放牧に出し、11月29日に美浦へ戻っている。初時計だった12月1日のウッド追いで3F38秒6-1F12秒4(馬なり)とさっそく速いところをやれたあたり、牧場では順調に過ごせたようだ。1週前追いもウッド単走。やや掛かり気味となってしまい、コーナリングが大雑把にならざるを得なかったようで大外に持ち出される格好に。直線の脚捌きは軽快だったが、ギアは上がり切らずワンペースのままだった。
【最終追い切り】レース当週もウッドで単走。脚捌きそのものはまずまずも、終始鞍上が促さないと動いていかないような感じ。直線でも走り自体のバランスは悪くなかったものの、最後まで前向きさに欠けた。
【見解】1週前、最終追いともに水準以上のパワフルさはあるし脚捌きも悪くない。しかし高いポテンシャルをどう走りに繋げればいいのか、まだ馬が理解していないようなメンタルの不安定さは気になるところ。最終追いは報道されているように馬場入りをゴネにゴネて、結局併せ馬の予定が単走となったものだった。これまでの3走、必ずどこかで併せ馬を行ってきたが、今回は結局単走オンリー。これは「ウッド併せ馬調整」を勝ちパターンとしている国枝厩舎にとって大きな誤算だろう。血統背景から買いたくなる1頭だが、大きく信頼するのは禁物かも。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。