契約内で家族へのケアを求めていたというソト。(C)Getty Images やはり一筋縄ではいかない交渉だった。現地時間12月8日にメッツと15年総額7億6500万ドル(約1147億5000万円)のプロスポーツ史上最高額の契約を交わしたフア…

契約内で家族へのケアを求めていたというソト。(C)Getty Images

 やはり一筋縄ではいかない交渉だった。現地時間12月8日にメッツと15年総額7億6500万ドル(約1147億5000万円)のプロスポーツ史上最高額の契約を交わしたフアン・ソトのそれだ。

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 後払いゼロで、出来高を含めて最大8億ドル(約1216億円)に上る契約を締結したソト。しかし、メッツがサインにこぎつける前には、各球団が水面下で空前絶後のマネーゲームを展開。とりわけ古巣であるヤンキースは再契約のために奔走。16年総額7億6000万ドル(約1140億円)の高額オファーを提示した。

 実際、ヤンキース内部ではソトとの再契約に「前向きな見解」が強まっていたという。交渉の内幕をリポートした米スポーツ専門局『ESPN』によれば、「チームに在籍した1シーズンでソトは素晴らしい経験をした」と認識した陣営は、金満オーナーであるスティーブ・コーエン氏が率いるメッツに競り勝つために、“最大限の誠意”を提示。16年総額7億6000万ドル(約1140億円)のオファーは、内部でも「予想していたレベルを遥かに超えている」という声が上がるほどの水準だったという。

 それでも引き留めには至らなかった。残留交渉破談の大きな決め手となったのは、フィールド外でのサポートだったという。『ESPN』は、ソトとスコット・ボラス代理人が「フィールド外の問題に焦点を当てていた」と指摘。その上でヤンキースは便宜を図ったが、話し合いはスムーズではなかった」と交渉の内情を伝えた。

「ヤンキースはひげも禁止、スイートルームの無料使用も禁止。さらに球団から寵愛される選手でも家族がクラブハウスに入室できる権利もない。あの伝説的なキャプテンであるデレク・ジーターでさえもプライベートスイートルームの使用許可を与えられなかった。

 ヤンキースの組織内には、これまでと異なるやり方をすれば、問題を招くという雰囲気があった。しかし、メッツは文化が違う。ソトと交渉中で本拠地のファミリースイートルームの使用権のオプションを求められたコーエンは即座にそれを承認した。彼は『私はそれが問題だとは思っていない』と言った」

 無論、金銭面も重要な要素ではあった。しかし、ソトにとっては自身のみならず、家族に対する待遇も決断の肝になったようだ。ヤンキースにとってみれば、球団内で長く守られてきた“伝統”が仇となる形となったと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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