カップ・シリーズは最終10戦の“プレーオフ”に突入。今季強さを見せるマーティン・トゥルーエクス・Jr.が初戦を制し、3戦後からの“プレーオフ”第2ラウンドへの切符を手にした。エクスフィニティ・シリーズではエリック・ジョーンズがステージ1,2…

カップ・シリーズは最終10戦の“プレーオフ”に突入。今季強さを見せるマーティン・トゥルーエクス・Jr.が初戦を制し、3戦後からの“プレーオフ”第2ラウンドへの切符を手にした。エクスフィニティ・シリーズではエリック・ジョーンズがステージ1,2を制すも、残り7周での再スタートで痛恨のペナルティ。ルーキーのマット・ティフトが6位に入り、次戦からの“プレーオフ”進出を果たした。トラック・シリーズではトヨタドライバー同士での“プレーオフ“進出権をかけた激しいバトルが繰り広げられたが、これを制したベン・ローズが、クリストファー・ベル、マット・クラフトンと共に次戦からの“プレーオフ“に臨むこととなった。

9月17日(日)、米国中部イリノイ州ジョリエットのシカゴランド・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第27戦「Tales of the Turtles 400」が開催された。
年間全36戦のシリーズとして戦われているNASCARカップ・シリーズも、終盤の10戦で選抜された上位ドライバーがタイトルを争う“プレーオフ”に入った。当初16名選ばれ、3戦毎に下位の4人ずつ脱落していく。この“プレーオフ”には、トヨタ勢では今季4勝でレギュラーシーズンをトップで終えたマーティン・トゥルーエクス・Jrと.、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、マット・ケンゼスの4名が進んだ。
比較的新しいコースであるシカゴランドをトヨタは得意にしており、これまで参戦してきた10年間で5勝。カイル・ブッシュ、ケンゼス、ハムリン、トゥルーエクス・Jr.が勝利を挙げており、昨年はトゥルーエクス・Jr.が制している。 

17日(日)午後2時8分に1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。今季7度目となるポールポジションからスタートを切ったカイル・ブッシュを、3番手スタートからポジションを上げたトゥルーエクス・Jr.、2番手スタートのハムリンが追い、序盤から“トヨタ カムリ”の1-2-3体勢となった。
カイル・ブッシュはトゥルーエクス・Jr.を大きく引き離し、首位を快走。ステージ1はイエローコーションが出ない展開となり、中盤にグリーンフラッグ下でのピットストップとなったが、1周でカイル・ブッシュは首位に返り咲き。一方、このグリーンフラッグピット作業時にトゥルーエクス・Jr.とエリック・ジョーンズはピットロードスピード違反を取られ大きく後退。
カイル・ブッシュは独走でステージ1を制し、ハムリンが4位、ケンゼスが7位、ダニエル・スアレツが9位、トゥルーエクス・Jr.は追い上げ10位で1ポイントを獲得した。
ステージ2もカイル・ブッシュが首位でスタートを切ったが、まもなく左リアホイールの緩みを訴え、グリーンフラッグ中に予定外のピットイン。加えて、このピット作業時に、ピットクルーが車両到着前にピットレーンに出てしまったとしてペナルティを受けることとなり、カイル・ブッシュは2周遅れの30位と大きく後退してしまった。
ステージ2もイエローコーションが出ないままの展開となったが、2周遅れのカイル・ブッシュは自力でトップの車両を抜き返し、1周遅れへと復帰した。
トゥルーエクス・Jr.もじりじりと順位を上げていき、ステージ中盤のグリーンフラッグピットを終えた時点でトヨタ勢最上位のトップ5へ。その後更にポジションを上げ、ステージ2は3位でチェッカー。ハムリンが6位、ケンゼス9位と、カイル・ブッシュ以外の“プレーオフ”ドライバーは着実にトップ10圏内をキープした。
ステージ3はちょうど残り100周で再スタート。トゥルーエクス・Jr.は3位、カイル・ブッシュは1周遅れの4番手となる19位で、“ラッキー・ドッグ(イエローコーションが出されたときに周回遅れの最上位が首位と同一周回に復帰できる救済措置)”獲得へ向けバトルを続けた。
トゥルーエクス・Jr.は190周目に首位を奪還。カイル・ブッシュは一旦周回遅れの最上位、“ラッキー・ドッグ”ポジションに浮上したものの、ハイペースで首位を走行するトゥルーエクス・Jr.が更なる周回遅れを発生させてしまったため、これを追うことに。
209周目、エリック・ジョーンズがタイヤパンクによりスピンを喫し、イエローコーション。惜しくもカイル・ブッシュはここでの“ラッキー・ドッグ”獲得はならず。
このコーションからの再スタートも決めたトゥルーエクス・Jr.は、その後も首位快走を続け、最後は2位に7秒もの大差をつけてトップチェッカー。今季5勝目を挙げると共に、“プレーオフ”初戦を制し、次ラウンド進出の切符を最初に手にすることとなった。
レースを通して着実にトップ5圏を走行したハムリンが4位、ケンゼスが9位で、トヨタ勢はプレーオフドライバーのうち3人がトップ10フィニッシュ。カイル・ブッシュも最後まで首位と同一周回復帰を目指したが、イエローコーションが出ず、1周遅れながらも15位でフィニッシュ。ランキングでは、トゥルーエクス・Jr.が首位を守り、カイル・ブッシュはステージポイントなどの積み重ねもあり、5位につけている。 

次戦第28戦は9月24日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。 

ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.:
「素晴らしい結果で、興奮している。チームは信じられないような仕事をしてくれた。ファンの皆様全てに感謝したい。シカゴは最高だ。序盤、ピットスピード違反のペナルティを受けることになり、昨年(トップ走行中にタイヤバーストに見舞われるも追い上げ優勝)の悪夢を思い出したが、懸命に追い上げた。我々の“トヨタ カムリ”は信じられないほど速かったので、とにかく戦い続け、いつも通りの結果を成し遂げられたということだ」