「全国知的障がい者サッカー選手権『太平電業カップ』」が14、15の両日、茨城県城里町で開催される。主催はJ2の水戸ホーリーホック。障がい者の試合機会を増やし、誰もがサッカーを楽しめる環境づくりをめざす。 ホーリーホックで障がい者チームを担…
「全国知的障がい者サッカー選手権『太平電業カップ』」が14、15の両日、茨城県城里町で開催される。主催はJ2の水戸ホーリーホック。障がい者の試合機会を増やし、誰もがサッカーを楽しめる環境づくりをめざす。
ホーリーホックで障がい者チームを担当する佐野元則さんによると、Jリーグの各クラブは様々なカテゴリーのチームを有しているが、知的障がい者サッカーのチームがあるのは全60クラブ中、ホーリーホックを含めて6クラブのみだ。
練習はできても、試合をする機会が少なく、本格的な大会はもっと少ない。月謝制や会費制で運営しているチームが多く、移動や宿泊にかかる費用負担がネックになっているという。
2023年12月に知的障がい者チーム「クノスフェアビデ」を立ち上げたホーリーホックの小島耕社長が、オフィシャルパートナー(スポンサー)である太平電業(東京都千代田区)の野尻穣社長に相談。趣旨に賛同した同社が特別協賛し、出場チームの交通費や宿泊費を補助することで大会実現にこぎ着けた。一般社団法人日本障がい者サッカー連盟などが後援する。
会場はホーリーホックの練習拠点である城里町の七会(ななかい)町民センター「アツマーレ」。出場チームはクノスフェアビデのほか、横浜F・マリノス・フトゥーロ(横浜市)▽アスルクラロ沼津ジャンプ(静岡県沼津市)▽RSSセリオーレ・パラデイロ(那覇市)。総当たり戦の後、決勝と3位決定戦を行う。前後半30分制でハーフタイム10分。
ホーリーホックの小島社長は「地域と関わりの深いJクラブが障がい者チームを持つことは大きな意味や意義がある。この大会が日本のスポーツを強くする一助に、そして誰もがサッカーを楽しめる環境づくりの一歩になれば」と言う。
太平電業の野尻社長は「大会を通して、障がいのある方々が目標に向かって挑戦し続けることで新たな可能性を見出すとともに、障がいのある方々への理解を深め、社会参加の推進に寄与したい」と話している。
観戦無料。14日には元サッカー日本代表で日本障がい者サッカー連盟会長の北澤豪さんが大会を視察する予定だ。(中村幸基)