ロサンゼルス・レイカーズは、今シーズンよりJJ・レディック新監督を迎え、プレシーズン期間中は「ここ数年で最高のムード」とまで…

 ロサンゼルス・レイカーズは、今シーズンよりJJ・レディック新監督を迎え、プレシーズン期間中は「ここ数年で最高のムード」とまで評されており、一部では優勝候補とも言われていた。しかし、11月下旬を境にチームは失速。直近10試合は2度の3連敗を含む3勝7敗と振るわず、プレーイン圏内で歯を食いしばっている。

 レイカーネイションにとって、その不調の原因が絶対的エースのレブロン・ジェームズにあることも歓迎しがたい。20本連続での3ポイントシュート失敗は大きく取り沙汰され、本人も「リズムに乗れていない」と不調を自覚。平均得点はルーキー以来、キャリア2番目に低い水準となり、ディフェンス面でも足を引っ張るシーンが例年以上に目立っている。

 こうした状況を踏まえて、レブロンには冬の移籍市場でトレードの噂が付き纏っている。しかし、『ESPN』が匿名の有識者から入手した情報によると、レイカーズは2025-26シーズンまで契約を残す“キング”を今冬のマーケットでテーブルに上げることはないという。そして、ロブ・ペリンカ率いるフロントオフィスは、チームを好転させるべく、レブロンを中心に据えたまま、ロスターの改善を試みる意向のようだ。

 ここで特筆すべきは、レブロンが契約を延長した昨年の夏、レイカーズが積極的な戦力強化に取り組めるよう、給与カットを受け入れる用意があったということだ。その理由は、夢の共演を果たした息子、ブロニー・ジェームズと共にタイトルを獲得するため。しかし、今年のレイカーズは新加入のルーキー、ダルトン・コネクトが良い働きをしているのみで、補強によるチームの底上げはなし。レブロンは息子ブロニー・ジェームズと共にタイトルを獲得することを熱望しているが、現状の成績とチームの完成度からするとタイトル獲得が現実的なエリートチームとは言い難い。

 とあるイースタン・カンファレンスのスカウトは「レイカーズは間違いなく、選手層を厚くする必要がある」と述べており、現在のロスターについても「ロスターにおける序列の下位3分の1は、ガベージタイム要因と2way契約の選手。このような状態で82試合を消化することはできないだろう」と辛辣だ。

 しかし、キャリアで望むべき全てを成し遂げてきたレブロンにとって、残された目標は先述した息子との優勝のみ。もし仮にレブロンがレイカーズにトレードを要請した場合、球団は再建を活性化させるような契約のために尽力する準備があるものの、『ESPN』の情報筋曰く、仮にレブロンのトレードが実際に起こってしまった場合、そのアセットにはブロニー・ジェームズも組み込まなければならないという。

 現在、レイカーズはワシントン・ウィザーズでくすぶっているヨナス・バランチュナスに関心を抱いていると報じられており、今後の補強で積極的な動きを見せる構えだ。果たして、レイカーズのフロントは、キングを満足させ、優勝争いに食い込めるのだろうか。首脳陣の腕が問われる冬となりそうだ。

文=Meiji