NBAは選手個人の圧倒的なタレント性から、ファッションへ対する注目度も高い。その中でも最も目線が行くのは、やはりコート上の足…
NBAは選手個人の圧倒的なタレント性から、ファッションへ対する注目度も高い。その中でも最も目線が行くのは、やはりコート上の足元だろう。
『kixstats.com』は、NBA選手たちのバスケットシューズ事情を知る上で最も優れたチャンネルのひとつだ。フィルター機能も充実しており、ポジション別の人気モデルや、各シューズを実際に着用している選手などを検索することができる。
以下では今シーズン、NBAで最も人気の高いバスケットシューズTOP3をご紹介する。(データは本稿執筆時のもの)
■第3位 プレータイム合計:7,375分
非プレーヤーシグネチャーであるナイキ渾身の意欲作『ナイキ G.T. カット 3』が第3位に食い込んだ。
多くのNBA選手に支持された一足は、カット、ラン、ジャンプそれぞれの能力を最大限に引き出すことを目的に開発された“Greater Than”シリーズにおける2024年の新作。その名の通り、カッティングに比重を置く本作について、ナイキは「卓越した反発力とトラクションを追求して特別にデザインされたスーパースター級のバスケットボールシューズ」と、その性能に絶対的な自信を持っている。
特筆すべきは、ナイキがブランド史上初めて、ランニングモデルでの採用が目立ったZoomXフォームをバスケットボールシューズに応用したことだろう。軽量で柔軟性に富み、反発性に優れたZoomXフォームが、『ナイキ G.T. カット 3』では地面との一体感を追求。これにより、抜群のクッション性とコートからの反発エネルギーが最大化され、トップスピードで敵を引き離すプレーを後押しするのだ。
こうした性能から同モデルもガード勢での採用率が高く、ジョーダン・プール(ワシントン・ウィザーズ)、ドリュー・ホリデー(ボストン・セルティックス)、アメン・トンプソン(ヒューストン・ロケッツ)、ケイド・カニングハム(デトロイト・ピストンズ)らが愛用している。
■第2位 プレータイム合計:8,422分
数ある名作を凌ぎ、堂々の2位にランクインしたのはWNBAのスター、サブリナ・イオネスク(ニューヨーク・リバティ)のセカンドシグネチャー『ナイキ サブリナ 2』だった。
2024年に球団をWNBA王者に導き、今年のオールスターではステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)との3ポイント対決でも注目を集めた27歳のポイントガード。今年6月に誕生した『ナイキ サブリナ 2』は、イオネスクの急加速と素早いカットに対応するよう、機能性に特化して設計されており、初代よりも28グラムの軽量化に成功した。
それだけではない。前足部にZoom Airユニットを搭載することで、優れたエネルギーリターンと反発力を発揮し、Cushlon 3.0フォーム内蔵のミッドソールが快適な履き心地と安定性のバランスを維持。また、多方向へのトラクションをサポートするサブリナの頭文字「S」をイメージしたアウトソールもガード勢からの人気の理由のひとつだろう。
主な着用選手には、タイラー・ヒーロー(マイアミ・ヒート)やニコラ・ブーチェビッチ(シカゴ・ブルズ)、デリック・ホワイト(ボストン・セルティックス)らが挙げられる。
■第1位 プレータイム合計:16,320分
栄えある1位に輝いたのは『ナイキ コービー 6』。コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)のレガシーは、シューズとしても色濃く継承されているようだ。
2010年に誕生した『ナイキ コービー 6』は、コービーの愛称である“ブラックマンバ”を彷彿とさせる蛇の鱗柄のアッパーデザインが最大の特徴だ。デビューしたのは同年、マイアミ・ヒートと対峙したクリスマスゲームのこと。クリスマスの絵本や映画でお馴染みの『グリンチ』をイメージした毒々しいライムグリーンと赤いシューレースの攻撃的なカラーコンビネーションは一際コートで目を引いた。
鋼鉄の5倍にあたる堅牢性と高い柔軟性を兼備するFlyWireシステムと、革新的なクッショニングであるZoom Airを搭載したロートップのパフォーマンス性能の高さは、約15年が経過した今日でも色褪せることなく、ジェイレン・ブランソン(ニューヨーク・ニックス)やバディ・ヒールド(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ドマンタス・サボニス(サクラメント・キングス)など、ポジションを問わずに愛されている。
■4位以下では…
4位以降には『ナイキ コービー 4 プロトロ』、『ナイキ コービー 5』が続き、トップ5にはコービーモデルが3作品もラインアップする結果に。コービーシリーズのほか、『ナイキ エア フォームポジット』の生みの親としても知られるデザイナー、エリック・エイバーのバスケットボール業界における貢献度は計り知れない。
また、ナイキの占有率の高さは絶大だった。トップ10にまでランキングを広げても、そのうち8足がナイキのモデルに。唯一ナイキ以外で食い込んだのは、第9位にランクインした『アディダス ハーデン ボリューム 8』であり、同モデルはハーデンのほか、ジェイレン・サッグス(オーランド・マジック)、エバン・モブリー(クリーブランド・キャバリアーズ)、ジェイレン・ウィリアムズ(オクラホマシティ・サンダー)らが着用している。
ナイキ、アディダス以外のブランドにおけるトップモデルは、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)が着用するジョーダンシリーズの最新作『エアジョーダン 39』が6位、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)やマイケル・ポーターJr.(デンバー・ナゲッツ)をサポートする『プーマ オールプロ ニトロ』が13位、カイリー・アービング(ダラス・マーベリックス)のシグネチャーである『アンタ カイ 1』が18位にそれぞれランクイン。
なお、フィルターをポジション別に切り替えると一部でランキング変動が発生。フォワードに限定すると『ナイキ KD 17』、センターに限定すると『ナイキ G.T. ハッスル 3』がそれぞれ2位に登場するものの、『ナイキ コービー 6』の首位は変わらなかった。
文=Meiji