アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は、王者相手の連敗となった一戦からポジティブな要素を見いだしている。 アタランタは10日、スタディオ・ディ・ベルガモで行われたチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第6節でレアル・マドリーと…
アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は、王者相手の連敗となった一戦からポジティブな要素を見いだしている。
アタランタは10日、スタディオ・ディ・ベルガモで行われたチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第6節でレアル・マドリーと対戦し、2-3で惜敗した。
3勝2分けの無敗で5位に付けるアタランタはクラブ記録タイのセリエA9連勝中と絶好調。開幕前のUEFAスーパーカップにて0-2で敗れた昨季王者をホームで迎え撃った一戦ではリベンジの勝利を目指した。
試合序盤に先制を許したラ・デアだが、前半終了間際にDFセアド・コラシナツの果敢な攻撃参加によって獲得したPKをFWチャールズ・デ・ケテラエルが決め、1-1のイーブンで試合を折り返した。
後半は押し込む入りながら不運な形で勝ち越しゴールを許し、直後にもMFジュード・ベリンガムに見事な個人技から3点目を奪われ、2点差を付けられた。それでも、65分にFWアデモラ・ルックマンのゴールで再び1点差とすると、猛攻を仕掛けた後半終盤には幾度か決定機を創出。しかし、ルックマンの左クロスが演出した最後のビッグチャンスでは、ゴール前のFWマテオ・レテギのダイレクトシュートがクロスバーの上を越えて万事休す。
今季のCL初黒星とともに公式戦15戦ぶりの敗戦を喫することになった。
同試合後、ガスペリーニ監督はイタリア『スカイ・スポルト』で「少しがっかりした」と敗戦という結果を悔やみながらも、UEFAスーパーカップでの前回対戦よりも確実に王者との差は埋まりつつあると、多くのポジティブな要素を見いだしている。
「両チームともフットボールをしたいと思っていた。時間を無駄にしたり、シミュレーションしたりすることはなかった。どちらも自分の強みを生かして勝利を目指し。素晴らしいフットボールの試合だった」
「もちろん、少しがっかりしたが、この試合から多くのことを学んでいる。細かい点が欠けているだけだが、偉大なチャンピオン相手に心を込めてプレーした。結果的には負けたが、パフォーマンスでは負けていない。このことこそ、我々がさらに小さな一歩を踏み出す助けになるはずだ」
「厳しい試合だった」と友人でもある敵将カルロ・アンチェロッティ監督が試合後に率直な思いを語ったように、今回の一戦はドローはもちろんのこと、アタランタが勝っていても不思議ではない非常に拮抗した内容だった。
指揮官は細かい部分での改善は必要ではあるものの、それよりもこの試合で得た手応えを強調する。
「ワルシャワでの前回対戦よりは良くなったと思う。同点ゴール後には勝利の可能性を感じたし、危険な状況を作り出した。前半はもう少し決定力を発揮できたと思うが、こうした状況はすべて学ぶべきことだ。パフォーマンスは素晴らしく、全力を尽くし、最後の最後でもう少しで得点しそうだった」
「ポジティブな点がたくさんある。これは改善を続けるモチベーションになる。ボールを動かすのが遅すぎたし、レアル・マドリーはうまく追い上げてきたので、スピードを上げて彼らを崩さなければならなかった」
「主導権をうまく握っていたし、ゴール前でもっと危険なプレーができたかもしれないが、我々にとって本当に教訓になる経験だったことは確かだ。長い間良い結果が続いていたのに負けてしまったのは残念だし、同点に追いつくチャンスもあっただけに、それも悔しいね」
「レアル・マドリーは少しのスペースがあれば得点できることは周知の事実だ。2点目のゴールは跳ね返って少し運が悪かった。そのゴールと3点目が我々のエネルギーを少し奪ったが、我々はそれを取り戻し、攻め続けた」
「もし彼らが勝ったとしたら、それは彼らにまだ少し余裕があるからだ。しかし、我々の目標は、レアル・マドリー、インテル、マンチェスター・シティ、バルセロナの誰とでも対戦できると理解することだ。我々は彼らのレベルに近づいており、結果を出すチャンスがある」
その指揮官の言葉同様に、この日スタジアムに集ったファン・サポーターからは試合終了後に奮闘を見せた選手たちへスタンディングオベーションが送られた。
その点について指揮官は「特別な夜、フットボールの祭典だった。誰もが素晴らしい試合を見た満足感を持って試合を終えた。それが我々の主な目的のひとつだ」と、敗戦にも誇らしげな様子でインタビューを締めくくっている。