FA動向が注目を集めていたソト。彼が最終的に選んだのはジャッジとの共闘ではなくメッツでの新たなキャリアだった。(C)Getty Images エポックメーキングな大型契約が誕生した。 現地時間12月8日、今オフにヤンキースからFAとなってい…

 

FA動向が注目を集めていたソト。彼が最終的に選んだのはジャッジとの共闘ではなくメッツでの新たなキャリアだった。(C)Getty Images

 

 エポックメーキングな大型契約が誕生した。

 現地時間12月8日、今オフにヤンキースからFAとなっていたフアン・ソトが、メッツと後払いなしの15年総額7億6500万ドル(約1147億5000万円)で契約合意に至ったと米スポーツ専門局『ESPN』など複数メディアが一斉に報道した。

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 MLBデビューから6年で通算201本塁打、OPS.953を残してきた26歳のポテンシャルが高く評価される形となった。エスカレーター条項(設定された条件を満たすことで年俸が増える仕組み)を含めると最大8億ドルに達する可能性もあるというソトとメッツの契約は、言わずもがなのプロスポーツ史上最高額。昨オフに大谷翔平投手とドジャースが結んだ10年7億ドル(約1015億円=当時のレート)の大きく凌駕する形となった。

 衝撃が広まるなかで失意を隠し切れないのが、メッツと同じニューヨークに拠点を置くヤンキースの周辺だ。ソトの引き留めを今オフの最大の目標としてきた東の名門は、“隣人”に徹底抗戦。『ESPN』のジェフ・パッサン記者などによれば、最終的に16年総額7億6000万ドル(約1140億円)の高額オファーを提示したが、合意には至らなかった。

 米スポーツ専門局『CBS Sports』は、「ヤンキースにとっては悪夢のシナリオが現実となった。ソトは単にヤンキースを去るだけではない。彼はヤンキースの街にあるチームに加わるために去るのだ」と指摘。「甘やかすことなんかできない。ソトの退団はヤンキースにとって壊滅的な打撃だ」とソト流出の影響に対する懸念を記した。

 さらに「ソトに支払う予定だった資金で3~4人の選手と契約することは、素晴らしいアイデアだが、現実にはそれほどうまくいかない」と断じた同局は、かつて「悪の帝国」と言われるほどの大補強を展開したヤンキースの移籍市場での影響力の低下も論じている。

「ヤンキースは徐々にイメージを失っている。かつては野球界最大の組織であり、最も人気のあった球団であったが、今では普通のビッグマーケットチームになってしまった。彼らは確かに多額の資金を投じているし、ソト放出の見返りとして別のFA選手を何人か獲得するだろう。がしかし、ヤンキースは野球界を支配しているわけではないのは確かだ。彼らは非常に優秀で、たまにエリートチームになるが、常に準優勝で終えている」

 今年11月のオーナー会議の場でハル・スタインブレナー会長は「我々には、契約したい選手なら誰とでも契約できる力がある」と断言。FA市場でのヤンキースブランドの存在感を誇示していた。しかし、その力強い言葉が皮肉に聞こえてしまうほど、ソト争奪戦敗北のショックは計り知れない。

 果たして、若き怪物打者を失った名門はいかにして強化を図っていくのか。補強次第では、来季以降の戦略の再考も余儀なくされるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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