(写真:Norio Rokukawa)「点を取れたことは良かったけど、試合に勝てなかったことのほうが大きい」 1-1のド…

(写真:Norio Rokukawa)
「点を取れたことは良かったけど、試合に勝てなかったことのほうが大きい」
1-1のドローに終わった16日の柏との上位対決。待望の今季初ゴールを決めたというのに、開口一番のコメントはチームをおもんぱかる内容だった。
無心で放ったシュートはビューティフルゴールとなった。相手DFに当たったこぼれ球を持ち込み、左45度の位置からファーサイドを狙う。日本代表GK中村の手が届かないコースに突き刺さった。これには本人も悶々としていた日々を振り返り、「今日の得点よりも簡単なシュートはいくつもあった」と苦笑いを浮かべるしかない。
誰もが認める攻撃のけん引車だ。ここまで記録したアシスト数は実に『8』。左サイドから繰り出すドリブル突破でチャンスメークし、仲間のゴールをお膳立てする。マルティノスが左サイドに移った時期では慣れない右サイドでも辛抱強くプレーし、最近では左SB山中のオーバーラップを促すプレーにも進ちょくが見られる。得点こそなかったがプレーの幅は格段に広がった。
あとは「オレが仕留めるだけだった」(齋藤)。焦りがなかったわけではない。むしろ「内心、不安と戦う日々だった」と告白する。新主将と背番号10という大役を引き受けた重圧と戦いながら、自分自身のプレーとも見つめ合わなければならない。横浜FMというビッグクラブだけに、その負担の大きさは想像を絶するものだ。
ようやく生まれた初ゴールは、絶好調モードへの号砲か。終盤戦の残り8試合でゴール数をどこまで伸ばせるかがチームの浮沈のカギを握る。それ次第では柏戦で失った勝ち点2を取り返すことも十分に可能なはずだ。
文・藤井 雅彦