【牝系、配合、臨戦過程と好走の条件が揃った1頭】 12月8日(日)、京都競馬場で2歳牝馬によるGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)が行なわれる。 今年は、阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事の影響で、1990年以来34年ぶりの京都…
【牝系、配合、臨戦過程と好走の条件が揃った1頭】
12月8日(日)、京都競馬場で2歳牝馬によるGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)が行なわれる。
今年は、阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事の影響で、1990年以来34年ぶりの京都での開催となる。当時は「阪神3歳S」の名称で牡牝混合レースだったので、牝馬限定戦となってからは初。過去の傾向は当てはまらないと思われるので、今回は純粋に、各馬の血統・配合のよさを基に分析していこう。
今回、各馬の血統を見ていくなかで重視するのは「2歳戦実績の有無」だ。いくら良血でも、古馬になって本格化する馬が多い血統だと、近親も同様の傾向になることが多い。そのため、2歳戦の実績がある血統馬を推奨していきたい。
そういった点から、筆者が本命に推したいのがアルマヴェローチェ(牝2歳、栗東・上村洋行厩舎)だ。
8月の2歳新馬戦を勝ったアルマヴェローチェ
photo by Sankei Visual
同馬の叔父モンドキャンノは、2歳時にGⅡ京王杯2歳S(東京・芝1400m)を勝利し、GⅠ朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)では7番人気ながら2着に入っている。2歳時にGⅠで好走している実績は心強い。
アルマヴェローチェは札幌の新馬戦(芝1800m、稍重)をスローペースで逃げ切った後、続くGⅢ札幌2歳S(芝1800m)は重馬場の平均ペースで中団からの競馬と、初戦とは大きく異なる条件と展開になりながらも、鋭い差し脚を伸ばしてハナ差2着。競馬センスの高さとメンタルの強さを兼備しており、あらゆる馬場状態や展開で好走可能な強さを感じさせる馬だ。
父ハービンジャー、母の父ダイワメジャーの配合は、今回と同じ「京都・芝1600m」で行なわれた昨年のGⅠマイルチャンピオンシップを勝ったナミュールと同じ。ナミュールは2歳9月デビューから2連勝し、阪神ジュベナイルフィリーズでも1番人気に推されるほどのパフォーマンスを早くから見せていたため(結果は4着)、同様の血統馬が2歳GⅠで勝ち負けしてもおかしくない。
ちなみに、同じ父で今年のGⅠオークス(東京・芝2400m)、GⅠ秋華賞(京都・芝2000m)を勝ったチェルヴィニアは、2歳時からGⅢアルテミスS(東京・芝1600m)を勝って能力の高さを見せていた。また、母の父ダイワメジャーは、阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬を3頭出している種牡馬でもある。
札幌2歳Sからの参戦だが、このローテーションでは2003年ヤマニンシュクルが6番人気で1着、2013年レッドリヴェールが5番人気で1着、2022年ドゥアイズが10番人気で3着と、比較的に人気薄でも好走している。牝系、配合、臨戦過程と、好走の条件は揃っていると見ていいだろう。
【もう1頭は2連勝中のオルフェーヴル産駒】
もう1頭はクリノメイ(牝2歳、栗東・須貝尚介厩舎)を推す。
同馬の父オルフェーヴルからは、2017年の勝ち馬ラッキーライラックが出ており、同馬とは母系にフォーティナイナーとダンチヒを持つ血統構成も共通。管理する須貝尚介調教師は2012年ローブティサージュ、2013年レッドリヴェール、2020年ソダシと、このレースの勝ち馬を3頭出している。クリノメイは札幌の新馬戦(芝1500m)から前走のサフラン賞(中山・芝1600m)と、デビューから2連勝しており実力も十分だ。
以上、今年の阪神ジュベナイルフィリーズは、ハービンジャー産駒アルマヴェローチェ、オルフェーヴル産駒クリノメイに期待する。