広島戦は優勝の望みのあるチームと残留の望みのないチームとのメンタリティーの部分を危惧していた。その中で選手はアウェー席の1400人の応援も意識して戦っていたとは思うが、見ている場所や動く場所など全てに差があった。勝てる要素がなかなか見当た…
広島戦は優勝の望みのあるチームと残留の望みのないチームとのメンタリティーの部分を危惧していた。その中で選手はアウェー席の1400人の応援も意識して戦っていたとは思うが、見ている場所や動く場所など全てに差があった。勝てる要素がなかなか見当たらなかったというのが本音だ。
チャンスをつくっても人数のかけ方やポジションの取り方など、相手にうまくやらされていた印象。一番の差は1タッチ目。近藤や駒井はあわよくば前を向こうというプレーができていたが、その他の選手はまずキープという場面が目立った。ミシャの退任は発表されたが、ここまで積み上げてきた分を監督が代わったからといってリセットしてやるわけじゃない。ミシャが来た時は相手の嫌がるプレーが自然とできていた。そこは今後も追求しないといけないし、もう新たなスタートは切られたのだから。最後の柏戦では来年につながる戦いを見せてほしい。
J2で戦うことになったが、今いる選手は来年も札幌の力になってもらいたい。僕は札幌でプレーした98年、1年で降格し、翌年はJ2で戦った。その時に感じたのは、責任を持ってやる1年というのは本当に大きいということ。再昇格こそできなかったが、そこで色んな思いを抱いたり、色んな区切りがついたりして、プロ人生でも一番成長できたと言えるシーズンになった。あの1年がなかったら17年間、現役を続けられてはいなかった。J2だからと出ていくのは簡単だが、感謝を受けて期待を背負ってやるシーズンは、選手として有意義なものになるのは間違いない。
(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)