11月29日〜12月2日に高崎アリーナで開かれた「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024…
11月29日〜12月2日に高崎アリーナで開かれた「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」は、第1回大会から3年連続準優勝だった名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18が悲願の初優勝を果たし、幕を閉じた。
Bリーグの各チームが育成環境を整備し、年々レベルが向上しているユースのU18年代。今大会で輝きを放った有望株をピックアップする。
取材・文=長嶺真輝
■ 大会随一のポイントガード
今西優斗(名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18/PG/180センチ/3年)
BリーグU18における世代NO.1プレーヤー。千葉ジェッツU18との決勝では、自身と同じくユース育成特別枠でトップチームにも帯同する若野瑛太(2年)を怪我で欠く中、28得点10リバウンド7アシストでチームを引っ張り、大会MVPに輝いた。
高確率の3ポイントシュートなど多彩なオフェンススキルを持つが、中でも「止まる能力」がピカイチだ。体幹が強いため、力強いドライブから急停止してもバランスが崩れず、精度の高いミドルジャンパーや鋭いキックアウトにつなげることができる。
「前重心にならない」「プレーが起きる前に全体をスキャンする」という習慣を重視しているという。味方への声掛けも多く、ポイントガードとしての質が極めて高い。
■渡米控える有望株
関谷間(千葉ジェッツU18/PG/184センチ/3年)
がっしりとした体格が目を引く。多少のコンタクトではびくともしないため、攻守において強みとなっている。今大会では持ち味である3ポイントシュートの精度が上がらずに苦しんだが、勝負所では「自ら攻める」という姿勢を貫いた。
参考にしているのは、昨シーズンまで千葉Jに所属した大倉颯太(アルバルク東京)だ。同じガードとして「自分のスペーシングやパスの出す位置など、もっと状況判断を磨きたいです」と課題を見詰める。
「スラムダンク奨学金」の第18回奨学生に選ばれ、2025年から渡米する。ユース育成特別枠でトップチームにも帯同しており、「外国籍選手ともフランクに話すようにしています」と英語の習得にも余念がない。
■キャプテンシーも光った攻撃型PG
阿部竜大(レバンガ北海道U18/PG・SG/175センチ/3年)
小柄ながら、スピードと巧みなハンドリングを武器に得点を量産する攻撃型ポイントガード。一つ上の代の内藤耀悠を中心に、昨年まで大会3連覇を果たしたチームで1年時から主力を務めてきた。キャプテン、エースとして4連覇に導くことができず、「勝たせられなかったことは非常に悔しいです」と唇を噛んだ。
ただ、準決勝と3位決定戦ではいずれもゲームハイの20得点超え。「観てる人を魅了できるようなプレー」を身上とし、3ポイントシュートやディフェンス網を切り裂くペイントアタックなど多彩な得点パターンでスコアを重ねた。
以前に比べて体つきがより筋肉質になったように見える。さらにフィジカルを強化していけば、より上のレベルで戦えるはずだ。
■手足の長さも武器に存在感
佐取龍之介(琉球ゴールデンキングスU18/PG・SG/186センチ/3年)
まだ体の線は細いが、手足の長さとボールへの強い執着心を武器にリバウンドとセカンドチャンスポイントを量産する。敗れはしたものの、名古屋D U18との準決勝では13得点、14リバウンドのダブルダブルを記録した。
コート内外において声やジェスチャーで絶えずチームを鼓舞するリーダーシップも備えており、クラッチタイムでは自然とボールが回ってくる。準決勝後には涙を浮かべながら「個人としてチームを勝利に導くことができず、悔しいです」と語り、エースとしての自覚は強い。
Bリーグ基準では特段高さがある訳ではないため、将来プロ選手として活躍するためにハンドラーとしてのスキルや3ポイントシュートの精度向上に取り組む。
■目標は「田中大貴」
井伊拓海(サンロッカーズ渋谷U18/PF/196センチ/3年)
高さを生かしたリバウンドだけでなく、ドライブや3ポイントシュート、アシストなど、なんでもこなすオールラウンドプレーヤー。ほぼ毎試合、得点とリバウンドでダブルダブルを記録し、チームを初のベスト8進出に導いた。
「将来的にはハンドラーができて、得点も取れる選手になりたいです」と話し、193センチながら多彩なスキルを持つSR渋谷の田中大貴を目標とする。今夏にはトップチームのワークアウトに参加し、間近でプレーを見ながら多くの学びを得たという。
「ハンドリングスキルやメンタルをもっと強くしたいです」と言う通り、心身ともに伸びしろは大きい。さらにフィジカルも鍛えていき、スケールの大きな選手に成長してもらいたい。