パリ五輪の射撃で「無課金おじさん」として注目されたユスフ・ディケチ(トルコ)が3日、日本ライフル射撃協会に招待されて来日した。8日まで滞在し、強化指定選手への特別講習会や、栃木県で開催される日本とトルコの親善試合に出場する予定。羽田空港で…

 パリ五輪の射撃で「無課金おじさん」として注目されたユスフ・ディケチ(トルコ)が3日、日本ライフル射撃協会に招待されて来日した。8日まで滞在し、強化指定選手への特別講習会や、栃木県で開催される日本とトルコの親善試合に出場する予定。羽田空港で取材に応じ、「兄弟国の日本に来ることができてうれしい。これを機会に若い人が射撃スポーツに親しみを持ってもらいたい」と意気込みを語った。

 同種目の大会では射撃用サングラスや、破裂音から耳を守るイヤーマフなどの専門的な装備を身につけることが一般的だが、ユスフはTシャツ、メガネ、耳栓だけのシンプルなスタイルでパリ五輪の混合エアピストルに出場し、銀メダルを獲得した。他の選手との服装のギャップが話題となり、オンラインゲームで装備に課金しないことに例え、日本では「無課金おじさん」の愛称で親しまれた。

 来日は2度目で、1度目はコロナ禍で行動が制限されていた東京五輪時だったため、日本を満喫することができなかったという。「ホテルと、射撃場とバスの繰り返しだった。今回のようにみなさまと交流できること、町を見ることができるのを感謝している」と喜んだ。

 羽田空港到着時は、出口ゲートで待っていたファンにサインを書くなど神対応も見せた“無課金おじさん”。日本勢3人が出場したパリ五輪は、エアライフル女子の野畑美咲(21)の12位が最高成績だった。28年ロサンゼルス五輪への飛躍へ、無課金の極意を教わる。