西武ドラ1の金沢高・斎藤大翔、“外れの外れ”も「少しでも早く1軍に上がれるように」 今年のドラフト会議では、3人の遊撃手が1位指名された。特に西武は、最初の入札で5球団が競合した明大・宗山塁内野手(楽天が交渉権を獲得…

西武ドラ1の金沢高・斎藤大翔、“外れの外れ”も「少しでも早く1軍に上がれるように」

 今年のドラフト会議では、3人の遊撃手が1位指名された。特に西武は、最初の入札で5球団が競合した明大・宗山塁内野手(楽天が交渉権を獲得)を抽選で外すと、2度目の入札でも巨人との一騎打ちに敗れ、花咲徳栄高・石塚裕惺内野手の交渉権を逃した。“外れの外れ”1位で指名したのが“3人目のショート”金沢高・斎藤大翔内野手だが、本人は宗山、石塚に後れを取るつもりなど毛頭ない。

 1日に埼玉県所沢市内で行われた「2024ドラフト新入団選手発表会」。斎藤は色紙に「日本一の遊撃手」としたためた。抽選に外れながらも3人連続で遊撃手を1位指名。来年2月に32歳となる源田壮亮内野手の後釜をいかに欲しがっていたかがうかがえる。斎藤は高校生とはいえ、ファームで体づくりに専念するつもりはなく、「自分の武器は守備と走塁だと思う。それを生かして少しでも早く1軍に上がって活躍したい」と強調した。

「ライバルが多いことは、ドラフトの前からわかっていた」と話すように、“同期生”には評判の高い遊撃手が多い。大学生では“10年に1人の逸材”といわれる宗山を筆頭に、九産大・浦田俊輔内野手が巨人2位、神奈川大・庄子雄大内野手がソフトバンク2位、早大・山縣秀内野手が日本ハムに5位指名された。同い年の高校生にも石塚の他に、ソフトバンク4位の早実高・宇野真仁朗内野手、同5位の愛工大名電高・石見颯真内野手らがいる。斎藤は「その中でも一番といわれるように頑張りたい。自信はあります」と言い切る。

 ドラフトの目玉だった宗山に対しても臆するところはなく、「テレビで見ていて、すごく守備のうまい選手だと思いましたが、スピード感では自分も負けていないと思います。そういうところで勝負していきたい」と一歩も引かない。実際、遠投120メートルの強肩、50メートル走6秒0の俊足を生かした守備は実にダイナミックだ。

 高1の春に早々とレギュラーの座を確保して以降、遊撃へのこだわりは人一倍強い。憧れはソフトバンクの今宮健太内野手で、「プレー以上に立ち姿、オーラ、存在感がかっこいい」と目を輝かせる。過去に石毛宏典氏、松井稼頭央氏、中島宏之、そして源田と球界を代表するショートを輩出してきた西武の系譜に、名を連ねられるか。

 新人でも守備がうまい選手は、打撃が売り物の選手より出場機会を与えられやすい。球団も今季限りで現役を引退した岡田雅利捕手がつけていた背番号「2」を与えた。斎藤は「ショートなので、ずっと『6』を付けてきましたが、1桁の番号をいただいて、すごく期待を感じます。応えたいです」と笑顔を浮かべる。1年目から1軍の舞台に立ってもおかしくない大器だ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)