◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日(1日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆5051人)「最後は気持ちだと思ってプレーしていた」。金谷拓実が、あと一歩で届かなかったタイトルをようやくつかんだ。単…
◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日(1日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)◇晴れ(観衆5051人)
「最後は気持ちだと思ってプレーしていた」。金谷拓実が、あと一歩で届かなかったタイトルをようやくつかんだ。単独3位で終えて1000万円を獲得。賞金ランキング1位だった平田憲聖との約289万円差を最終戦で逆転し、自身初の賞金王に輝いた。最終戦で逆転しての戴冠は2000年の片山晋呉、17年の宮里優作以来となる史上3人目。「結果が出ない時にも腐らず、自分を見つめ直せたことがいまにつながったんじゃないかと思います」と悲願のタイトルを噛みしめた。
コロナ禍で統合された2020-21年は2位、中島啓太と争った昨年は3位。シーズン最終盤までレースに加わりながら競り負けてきた。「ルーキーの時は、賞金王は通過点だと思っていた」。遠くないと思っていたはずのタイトルになかなか手が届かない。ことしもランク2位で最終戦を迎え、逆転には少なくともトップ10前後の成績がマストな状況だった。3日目を終えて単独4位にいようと、ひとつでも順位を落とせば、平田の結果次第で危うくなることに変わりはなかった。
王座を引き寄せたのは17番。4位をキープしたまま迎えたパー5で、10mのイーグルパットを流し込んで単独3位に上がった。「本当にこの大会に入るまで苦しかったし、きょうの18ホールはいままでで一番長かった」。プレー中、気持ちに波が出てしまうことが課題だったが、「最後に気持ちを落ち着かせて、今週は我慢強くプレーできたと思う」と悲願のタイトルをつかみ取った。
賞金ランク1位の資格で、25年は欧州ツアー(DPワールドツアー)にほぼフル参戦が可能となる。昨年もランク3位で出場資格を得ていたが、カテゴリーが下がるため出場権は極めて限定的。出場機会に恵まれず、今季は6月「KLMオープン」のみにとどまった。「もっと出場できるつもりで準備していたし、それが叶わなくて。でも、良いプレーができればチャンスも増えると思ってやっていた」。諦めずに目指し続けてきた海外進出のチャンスも一気に広がった。
「賞金王はうれしいけど、まだ来週試合があるので」と、息つく暇もなく大きなイベントが待つ。来季の米ツアー出場権獲得を目指し、3日(火)から行われる2次予選に出場するため、この日の深夜便で渡米する。「一日一日、成長していけるように頑張りたい」。飛躍の年はここではまだ終わらない。(東京都稲城市/谷口愛純)