マリオ氏は取締役としてチームに残るが経営には参画しない(C)Getty Images F1参入を拒否された米国チーム「アンドレッティグローバル」を継承する米ゼネラル・モーターズ(GM)系のチームがすんなりと2026年の新規参入を認められた。…

マリオ氏は取締役としてチームに残るが経営には参画しない(C)Getty Images

 F1参入を拒否された米国チーム「アンドレッティグローバル」を継承する米ゼネラル・モーターズ(GM)系のチームがすんなりと2026年の新規参入を認められた。11月25日にF1の運営会社の大株主でもある米大手メディア企業のリバティメディアなどとの間で基本合意したことが発表され、GMの人気ブランド「キャデラック」を名乗る見通し。F1が11チームで臨むのは2016年以来で、その年はハースが新規参入し、マノー(旧ヴァージン、マルシァなど)の最後の活動年だった。

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 マイケル・アンドレッティ代表が大半の株式を手放して経営から退くことが発表されたのは9月末。GMの実質的なワークスチームに衣替えした途端に手のひらを返すように”F1村”から急きょ歓迎される展開となった。

 GMは2028年から熱エネルギー回生装置が廃止となった新レギュレーションのパワーユニットを投入するが、それまでの2年間はフェラーリ製で戦う。一時はホンダ製を搭載するのでは、ともささかれたが、欧州系のメーカーからのカスタマー供給を選択した。フェラーリ側も長年の供給先だったザウバー(キックザウバ)が独自動車メーカーのアウディのワークスチームとなり、パワーユニットの供給も25年で打ち切られることから抜群のタイミングでもあった。

 アンドレッティ氏の父で元F1王者のマリオ氏は取締役としてチームに残るが、アンドレッティ氏自体はチーム経営には参画しない。アンドレッティ氏も父と同じ元F1ドライバーながら、ウェブメディアの『Remap Radio』はF1の世界ではひどく嫌われていることを指摘している。

「F1界で支持を集めるためのロビー活動でF1グリッドの首脳陣に不快な思いをさせた。多くの点で、その反応は時代錯誤的で、まるでアンドレッティ家がヨーロッパ社会での居場所を探している19世紀の成金アメリカ人であるかのようだった」

 アンドレッティ氏はCART(現インディカー)王者の肩書きを引っ提げて1993年にいきなりマクラーレンでF1デビューを飾ったが、開幕から4戦連続リタイアと振るわず、第5戦スペインGPでようやく初入賞となる5位を獲得。その後もリタイアが目立ち、イタリアGPで初表彰台の3位を獲得した直後に残り3戦を残してチームとの契約を解除。再び主戦場を米国に移した。F1ではいまだに成功できなかった選手のレッテルを貼られている。

 同じ米国系チームでは先行してハースがF1参入に成功。アンドレッティ家にとってもF1の舞台に再び立つという大きな野望はあっただろう。ところがF1界には見えない部分で”アンドレッティ・アレルギー”のようなものがあったもようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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