FA宣言から阪神残留を決めた大山。この大砲との契約を受けてさらなる補強を求める声が相次いだ。(C)産経新聞社「巨人入りが規定路線」とする声は小さくなかった 今オフの目玉であった大山悠輔のFA去就がついに決した。 国内FA権を行使していた虎の…

 

FA宣言から阪神残留を決めた大山。この大砲との契約を受けてさらなる補強を求める声が相次いだ。(C)産経新聞社

 

「巨人入りが規定路線」とする声は小さくなかった

 今オフの目玉であった大山悠輔のFA去就がついに決した。

 国内FA権を行使していた虎の主砲は、11月29日に残留を発表。球団を通じて「この度、FA権を行使させていただいておりましたが、来年からも阪神タイガースでお世話になることに決めました。これまで同様、しっかり覚悟を持って戦っていきたいと思いますし、まずは来シーズン優勝を勝ち取れるように、チームに貢献できればと思います」とコメントし、“球団愛”を改めて示した。

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 球界では「巨人入りが規定路線」とする声は小さくなかった。実際、巨人は大山獲得に全力を傾けていた。阪神の条件を上回る6年24億円以上の超大型契約を提示していたと報じられ、阿部慎之助監督を始め、主力選手も続々ラブコールを公言。その姿勢は明確だった。だからこそ、本人の決断は驚きでもあった。

 熟考を重ねた大山が会見当日に決めたという残留。この急転直下の発表に熱心な虎党は熱狂した。SNS上では「大山残留」がトレンド入りし、「一生ついていく」や「泣きたい」「もう一度、日本一を目指そう」と背番号3の決断を称賛する声で溢れかえった。

 藤川球児監督の新体制にとっても大山との事実上の生涯契約締結は何よりの朗報である。岡田彰布前監督が「コロコロ変わると、責任感というか、打線として落ち着かない」と口を酸っぱくして重要性を説いてきた4番が残れば、必然的に打線は厚みを増す。若手を起用するうえでも経験豊富な背番号3がいるといないとでは、指揮官の心の持ちようも変わってくる。

 捲土重来を期する阪神にとって今オフ最大の懸念材料は埋まった。一方でSNSではさらなる強化を求める声が出たのも事実だ。とりわけ24年シーズンのウイークポイントだった貧打解消のための助っ人補強を指摘する意見は目立った。

 投手陣ではジェレミー・ビーズリーとハビー・ゲラとの契約更新を決めた一方、打者はシェルドン・ノイジーとヨハン・ミエセスと契約更新をせず。候補こそメディアを賑わせているが、今も空席状態が続いている。

喫緊の課題は間違いなく「打」

 喫緊の課題は間違いなく「打」。その強化を図るべく、阪神は国際市場から有力選手の選定を進めている最中と見られている。NPB経験者ではマイク・フォード(元DeNA)やレアンドロ・セデーニョ(元オリックス)が市場にいるが、一部ではMLB経験も豊富な新助っ人に注視しているという報道も出ている。

 ありとあらゆる情報が飛び交っている。そうした中で、大山残留後にSNSをひそかに賑わせたのは、「ケストン・ヒウラ」の名だ。

 今月17日に獲得候補として報じられた現在28歳の元トッププロスペクトは、二塁手が主戦場ながら一塁手と左翼手もマルチにこなせる右の長距離砲。阪神の補強ポイントにも合致することからXでも虎党たちから「ヒウラは獲得せなアカン」「補強は必須。ヒウラはちゃんと獲れ」「大山が残ってもヒウラを獲るのは全然あり」といった意見が相次いだ。

 たしかにMLB通算50本塁打を放ち、24年は米マイナーで打率.286、26本塁打、長打率.580、OPS.943を残したヒウラは獲得できれば、打線強化に繋がり得る存在ではある。一方で阪神には井上広大、小野寺暖、野口恭佑など1軍で中長期的に抜擢してみたい若手打者も少なくない。そうした台所事情を考えた上で、待望される助っ人補強がどう進むかは興味深いところだと言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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