大山は猛虎愛も残留の理由とした(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext FA権を行使、巨人が獲得に名乗りをあげるなど去就が注目されていた阪神の主砲、大山悠輔が29日、阪神に残留することを発表した。【関連記事】「救援のやり繰りは…

大山は猛虎愛も残留の理由とした(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 FA権を行使、巨人が獲得に名乗りをあげるなど去就が注目されていた阪神の主砲、大山悠輔が29日、阪神に残留することを発表した。

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 大山は球団を通じて「この度、FA権を行使させていただいておりましたが、来年からも阪神タイガースでお世話になることに決めました。これまで同様、しっかり覚悟を持って戦っていきたいと思いますし、まずは来シーズン優勝を勝ち取れるように、チームに貢献できればと思います」とコメントを残した。

 巨人側の条件は6年24億円超と本気度を示すものだったが、大山の猛虎愛がまさった形だ。 

 巨人も阿部慎之助監督を始め、主力選手も続々ラブコールを送るなど、獲得に向け全力をかたむけたが、虎の主砲獲得は叶わず。一方、大山残留で、「良かった」といわれる面もある。 

 もちろん、在籍の阪神にとっては7年連続2桁本塁打をマーク。昨年38年ぶりの日本一に輝いた際には全試合で4番を務めた主軸が残留したことで、新任の藤川球児監督においても再びV奪回に挑む機運が高まりそうだ。

 そして逃がした巨人にとっても、仮に大山が移籍すれば、ポジションシャッフルの問題が生じていた。一塁手の大山が移籍となれば、今季、主に一塁を守っていた岡本和真が外野に回る可能性も浮上していた。

 すでに外野守備の経験もある主砲だが、チームには伸び盛りの若手外野手も多い。今季夏場から存在感を示した浅野翔吾、長打力も魅力の萩尾匡也、55番を背負った秋広優人なども控えるとあって、仮に移籍となれば、若手の活躍機会が狭められることにもつながりかねなかったが、再び育成に主眼が置かれることにもなりそうだ。

 最後は今回の決断は大山本人ばかりか、球界にも移籍の在りかたを議論する契機となった。永遠のライバルとされるTG移籍となれば史上初ともなり、大山のFA行使から大きな注目を集め続けた。

 一方で阪神ファンの間からも「どんな決断であれ、大山の意思を尊重する」という声も多く、選手個人の権利に配慮するムードも高まった。

 過去にはFA移籍した選手に対するブーイングがときに出たときもあったが、現在では助っ人移籍含め、どの球団に行っても頑張ってほしいという応援の声が多数派となりつつある。

 今回の大山FA行使は様々な方面から見ても好循環がもたらされる決着に落ち着いた。来年から引き続き、伝統の一戦が盛り上がることは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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