第25回チャンピオンズC(12月1日/GI、中京ダ1800m)には、ラストランとなるレモンポップ、フェブラリーS覇者のペプチドナイル、3歳馬サンライズジパングなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「レモンポップ」を取り上げる。

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■レモンポップ

【中間調整】昨年はフェブラリーS、チャンピオンズCを制覇。今年前半はサウジ遠征で大敗に終わるも、立て直した国内の2戦で先手先手の競馬から連続完勝とした。これで日本国内では15戦12勝2着3回。1400mと1600mのJpnI戦で抜群の行きっぷりを示せているあたり、衰えどころか引退直前にして最盛期を迎えている感がある。

引退レースとしてチャンピオンズCへ臨むのは当初からの予定通り。11月初頭に外厩から美浦へ戻り、7日に坂路15-15の初時計。これは昨年のチャンピオンズC時とほぼ同じスケジュール感で、いかに順調に過ごせたかの証明と言えるだろう。2週前のウッド追いは時計こそ平凡だが、2頭のインへ潜り込ませる3頭併せでレース感覚を呼び戻してやり、1週前は坂井騎手を背に長め7ハロンから時計になるハードなウッド追いを敢行。昨年も行った“マイル仕様”から“1800m仕様”へのシフトチェンジと言える、通過儀礼的な調整だが、7F全体で96秒0と過去最速のラップを刻み、5Fで見ても64秒7と自己ベストを更新する時計をマークした。外からひとまくりする格好で先行した相手に3馬身の先着。この時点で盤石の態勢は整ったと言える。

【最終追い切り】1週前の強い負荷でほぼ仕上げは完了。レース当週はウッドの内目を回し、単走でバランスや操縦性の微調整に徹した。重苦しさは一切感じさせず、ラストは自然体のまま大きなストライドで加速できていた。

【見解】前走の南部杯が2着ペプチドナイルに3/4馬身差で、GI級連勝と言えど“絶対王者感”は薄れているという見方も。しかし最終追いで新馬2頭に遅れるなど状態はそこまで上がっていなかったし、“JpnI昇格後”の初代王者を狙うべく2走前・さきたま杯に向け1400mモードの調整を施された反動があったかもしれない。そんな状態で接戦を制し、さらに反動が……と心配になるところだったが、ここに向けての帰厩後の動きはガラリ一変。上述通り、昨年同時期と遜色ないか、それ以上の気配にある。このあたり、短期放牧先であるダーレー茨城トレセンの殊勲甲。昨年は揉まれない大外枠が良かった感もあったが、衰え知らずの行きっぷりを考えると、この枠こそ“待ってました”では。主導権を握って終始レースを支配し、有終の美を飾る可能性はきわめて高い。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。