サッカーJ2のいわきFCを運営する「いわきスポーツクラブ」(いわきSC、福島県いわき市)は28日、県と子どもの居場所づくりの支援に関する協定を結んだ。選手が他チームに移籍する際、いわきFCに入る移籍金の一部を子ども食堂に寄付する。いわきS…
サッカーJ2のいわきFCを運営する「いわきスポーツクラブ」(いわきSC、福島県いわき市)は28日、県と子どもの居場所づくりの支援に関する協定を結んだ。選手が他チームに移籍する際、いわきFCに入る移籍金の一部を子ども食堂に寄付する。いわきSCによると、Jリーグ内でも珍しい取り組みだという。
協定は子ども食堂への寄付のほか、子ども食堂を利用する子どもを対象にスポーツ教室やホームゲームに招くとの内容。
今回の協定はいわきSC側から県へ提案があり、実現した。いわきSCの大倉智代表は「選手は地域で育ててもらっている。何らかの形で地域に還元できないか」と考えたという。
いわきFCが力をつけて上位リーグに上がるにつれ、いわきFCの選手たちがJ1やJ2の上位クラブへ移籍することが増えた昨年から検討を開始。「チームでも食に力を入れている。食べることすらできない子どもたちの支援を」(大倉代表)と子ども食堂を対象にした。
協定の仕組みを適用し、今回は県内の子ども食堂をサポートする「ふくしまこども食堂ネットワーク」(郡山市)に100万円を寄付した。大倉代表は「今回の協定をきっかけに選手と子どもの関わりを増やし、子どもに夢を持ってもらえたら」と話す。
ふくしまこども食堂ネットワークによると、加盟する子ども食堂の数は約130カ所あるという。江川和弥共同代表は「活躍している選手たちが子ども食堂に関心を持ってくれるのは、子どもたちにとっても喜ぶと思う。地域の中で子どもを育てることが未来につながるので、この流れがほかの企業にも広がってほしい」と話した。(滝口信之)