V・ファーレン長崎との重要な一戦を前に、森山佳郎監督は4日間のオフを設けた。11月11日から14日にかけてのものである。 10日にユアテックスタジアムで行われたJ2リーグ最終節・大分トリニータ戦から長崎とのJ1昇格プレーオフ準決勝までは3…
V・ファーレン長崎との重要な一戦を前に、森山佳郎監督は4日間のオフを設けた。11月11日から14日にかけてのものである。
10日にユアテックスタジアムで行われたJ2リーグ最終節・大分トリニータ戦から長崎とのJ1昇格プレーオフ準決勝までは3週間ほど空く。指揮官は、「4日間トレーニングなしでしっかりと頭も体もリフレッシュしてそこからトレーニングスタートということで、メンバーを固めずに競争しながら、また選手個々のレベルアップを図りながら、コンディションを整えてきた」と、このまとまった期間の使い方を説明する。
「練習試合の相手に恵まれなかった」とも明かすが、郷家友太は「この3週間しっかり準備できたと思いますし、コンディションやチームのやるべきことをしっかりここで整理できたので、あとは敵地に乗り込んで思い存分、チーム全員で暴れたい」と意気込む。
その長崎も、仙台戦に向けて連続オフを設けたという。下平隆宏監督は「いったんリーグ戦の疲れを取る、リフレッシュするというところ。リーグ終盤戦ってきて、そんなにそこから低下することはない」と説明する中で、やはりメンタル面を考慮したようだ。
順位こそ3位・長崎と6位・仙台で離れているが、リーグ戦では仙台が1勝1分と、長崎は勝てていない。それだけに下平監督は、「本当に1人1人がしっかりファイトして、粘り強く戦う。ゴリさんのカラーが本当に出てる」と警戒する。
■森山監督と郷家が共有する長崎のイメージ
長崎・秋野央樹は「仙台さんは今シーズン、1人1人がチームのためにハードワークできる本当に隙の少ないチームだと思いますし、ただ自分たちはホームで戦えるので、レギュレーション的には引き分けでも自分たちは進出できますが、そこで受身にならずに、先制点は非常に大事になる」と、あくまで迎え撃つ構えだ。
森山監督と郷家の長崎へのイメージは重なっている。郷家が「長崎さんの印象はやっぱり縦に速い攻撃だったりだとか、カウンターだと思ってるので、そこはしっかりとこの3週間で準備していきたいなと思ってたので、ちょっと考えすぎずに僕たちもやるべきことをちゃんとやるということだけを考えて、試合に臨みたい」と話せば、指揮官はこう話す。
「郷家選手が言ったように、(長崎の)前線の選手は全員強力で、単独では止めれないその怖さがあり、あす。それだけじゃなくて、ビルディングアップが非常にスムーズで、非常に質の高い秋野選手が中盤にいて、後ろにも田中選手とか本当に質の高い選手がかなりいい所にボールを配球して、そっからまたスピードアップしてくると。
かなり警戒しないといけないところが多すぎて、だからこそ、先ほど郷家くんが言いましたけども、あんまり考えすぎずに、しっかりとハードワークして戦って、我慢するところは我慢するという感じで戦っていきたい」
■郷家友太「必ず勝ちを仙台に持ち帰りたい」
さらに、秋野と郷家は一発勝負の戦い方についてもイメージを膨らませている。
秋野が「(引き分けなら長崎が勝ち上がる)レギュレーションはありますが、あまり意識しすぎいことが大事かなと思います。ただ有利ってことは変わりないので、そこはうまく賢く、戦えればいい」と説けば、郷家は「一発勝負なので、ちょっと何が起きるかわからない状況だと思いますし、何かの小さいことで、結果が変わる戦いになってくると思うので、小さいミスだったりとか、そういうのを狙っていきたいなとは思ってます」と話す。
頼れる背番号11はさらに、「僕たちのチームのタイプとしては、そういう不利な状況から勝っていくっていうところは、今年何回もサポーターにも届けてる部分あるので、自分たちもその部分でこのチームに期待しているので、当日、本当に楽しみです」とも力強く言葉を発する。
郷家は、サポーターに向けてこうも言葉を発している。
「長崎にたくさんのサポーターが来てくださるので、その人たちと必ず勝ちを仙台に持ち帰りたい。応援してくださる方も本気なので、その気持ちになんとしてでも勝ちで応えたい思いでいるので、もう勝つだけだと思ってます」
昨年はJ3降格圏に肉薄するような16位でリーグ戦を終えたが、今季は森山佳郎監督の下で再生。6位という成績とともに、チームにはさらに上を目指す雰囲気の良さと力強さがある。J1昇格プレーオフで掴むものは、悲願のJ1復帰と、そして、仙台の完全復活だ。
(取材・文/中地拓也)