◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 事前(27日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)一つのトロフィーに伸びる6本の腕、ガヤガヤと楽しげな6人の男たち。最終戦の前に行われる、賞金王戴冠の可能性がある選手たちのフォトセ…
◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 事前(27日)◇東京よみうりCC(東京)◇7002yd(パー70)
一つのトロフィーに伸びる6本の腕、ガヤガヤと楽しげな6人の男たち。最終戦の前に行われる、賞金王戴冠の可能性がある選手たちのフォトセッションは恒例行事だ。試合中の真剣な表情とは打って変わり、小スペースにぎゅうぎゅう肩を寄せ合い、白い歯をこぼす。まるで新しいアイドルグループみたいだが、例年はここまで賑やかではない。最終戦で6人が賞金王の座を争うのは、1999年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足以降で最多なのだ。
これまでの最多記録は伊澤利光が制した2003年、チャン・キム(韓国)が制した2020-21年シーズンの5人だった。今年は賞金総額1億1124万879円でトップに立つ平田憲聖を筆頭に、2位の金谷拓実(288万9657円差)、3位の今平周吾(1833万172円差)、4位の岩田寛(1930万9977円差)、5位の木下稜介(2407万284円差)、6位の石川遼(2648万369円差)にチャンスがある。
2009年以来のツアー最長ブランク戴冠を狙う石川遼は、「これまでの国内ツアーって1人、多くて2人がシーズン中良いプレーをしてというのがほとんどだった。6人で争うのはすごく珍しいこと。年間を通して良いプレーをする選手が増えて、詰まってきている印象がありますよね」と話す。
今季4勝で賞金レースのトップに立つ平田の戦いぶりは、石川にとって「衝撃的だった」という。「今年の憲聖はずっと、頭一つ抜けたプレーをしていた。それでもまだずば抜けられないというのは予想していなかったこと。この状況がいまの国内男子を物語っていると思う」とツアー全体の質の高まりを実感している。
写真撮影では平等に横一列に並んでいたが、6人とも目指すはただひとりが立てる頂点だ。2018、19年賞金王で10年連続10回目の出場となる今平は「まだチャンスがあるというのは楽しみ。ガツガツはせずにいつも通り。経験があるほど良いコースだと思うので、それを生かせたら」と淡々と4シーズンぶりの返り咲きを目指す。
3位以下の4人が賞金タイトルをつかむには優勝が必須。詳細な記録の残る1985年以降、最終戦を制して逆転賞金王となったのは2000年の片山晋呉と17年の宮里優作のみで、どちらも2位からの逆転だった。ゴルフ史に残る1週間が幕を開ける。(東京都稲城市/合田拓斗)