デルポトロがジョコビッチとの引退試合「別れを告げる」 元世界ランク3位のファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が、現役を退いてからの生活が「自分の望むような日常ではない」といかに大変なもので…

デルポトロがジョコビッチとの引退試合「別れを告げる」
元世界ランク3位のファン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)が、現役を退いてからの生活が「自分の望むような日常ではない」といかに大変なものであるかを打ち明け、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)との引退試合で「別れを告げる」とした。

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36歳のデルポトロは、2009年には全米オープン決勝で当時世界ランク1位のロジャー・フェデラー(スイス)を3-6,7-6(5),4-6,7-6(4),6-2を撃破。フェデラー、ジョコビッチ、ラファエル・ナダル(スペイン)、、アンディ・マレー(イギリス)らが支配した男子テニス界の中で数少ないグランドスラム優勝経験者となった。

しかし、自己最高ランク3位を記録した2018年に右膝蓋骨を骨折すると、翌年の芝シーズンで再び右膝を負傷。その後、度重なる手術の末に完治せず、2022年に母国アルゼンチンで開催されたツアー大会を最後に公式戦出場はない。

デルポトロは、自身のSNSに動画を投稿。最後の試合のあとにスイスで2度の手術を受けたことを明かし、「リハビリを重ね、あらゆる場所に100本以上の注射を打った。毎日苦しんだよ。フェデリコ(デルボニス)との試合以来、そんな生活を送ってきた」と辛い日々だったという。

そして、「僕の日常生活は望むようなものではない。サッカーもパデルもできないんだ。毎日起きたら6~7錠の薬を飲まないといけない。胃薬や抗炎症剤、不安を和らげる薬などをね」と今も普通の生活を送ることができない。

自身は人工関節の手術を受けることを望んでいるものの、医師がストップ。「50歳まで待てと言われるんだ。でも、走れないし、階段も登れない。ボールは蹴れないし、テニスもできない。あと15年も待たなければいけないのか」と悲痛な思いを抱え、「痛みを感じることなく人生を送りたい」と語った。

現役続行を諦めず戦ったデルポトロだが、ついに引退試合として12月1日に、「最後の挑戦」と銘打たれたグランドスラム通算24度の優勝を誇るジョコビッチとのエキジビションマッチを行う。

最後にもう一度プレーしたいという噂を聞きつけたジョコビッチが、今年のマイアミ・オープンを訪れていたデルポトロに会って「アルゼンチンで試合をしてさよならを言いたいというのは本当か?」と聞いたことで話が進んだという。

計20度の対戦は、ジョコビッチが16勝4敗と大きく勝ち越しているものの、ロンドン五輪3位決定戦やリオ五輪1回戦でデルポトロが勝利した場面も印象的だった。ライバルでもあり、友人同士。「別れを告げる試合だ。 ジョコビッチは僕の招待を快く受けてくれた。 彼に可能な限りの愛を捧げたい。 1時間でも2時間でも3時間でも、僕がテニスコートで平和で幸せでいられるなら、それは素晴らしいことだ」と、最後の戦いに挑む。