今週は、下半期のダート頂上決戦、第25回チャンピオンズC(GI、ダ1800m)が中京競馬場で行われる。この一戦が引退レースとなる昨年の覇者レモンポップをはじめ、JBCクラシックを制したウィルソンテソーロ、フェブラリーS覇者ペプチドナイルとい…
今週は、下半期のダート頂上決戦、第25回チャンピオンズC(GI、ダ1800m)が中京競馬場で行われる。
この一戦が引退レースとなる昨年の覇者レモンポップをはじめ、JBCクラシックを制したウィルソンテソーロ、フェブラリーS覇者ペプチドナイルといったGI馬や、シリウスS連覇のハギノアレグリアス、コリアC連覇のクラウンプライド、地方大井からは南関東三冠馬のミックファイアなど、ダート界の猛者が集結。見応えのあるレースとなりそうだ。
そんな中、唯一の3歳馬サンライズジパングが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■GI実績が乏しく、血統面でも厳しい戦いとなるか
春は皐月賞、ダービーとクラシック路線を歩んだサンライズジパングだったが、秋はダート路線にシフトチェンジすると盛岡の不来方賞で重賞初制覇。ジャパンダートクラシックで3着に好走し、前走みやこSでは鮮やかな差し切り勝ちを収め、初対戦となった古馬を撃破。勇躍、ダートの頂上決戦へ駒を進めてきた。
過去10年のチャンピオンズCで、年齢別の成績を見てみると、3歳は【2.2.2.12】で連対率・複勝率が世代別でトップ。一見すると歓迎すべき数字に見えるが、馬券圏内に入った6頭の成績を見てみると、勝ち馬2頭はいずれもすでにGI勝ちの実績あり。残る4頭中3頭は、すでにGI(芝を含む)で連対を果たしており、同世代の頂上決戦で結果を残しているような馬でないと古馬と相まみえる最強馬決定戦では太刀打ちできない。
サンライズジパングは、2歳時のホープフルSで3着、ジャパンダートクラシックでも3着。芝ダート二刀流でGIでも好走歴を演じているが、帯に短し襷に長し。現時点ではやや中途半端さも感じられる。また前々走ジャパンダートクラシックでは、3歳の最強馬フォーエバーヤングに1秒2と大差をつけられており、3歳馬の代表としては、やや物足りない実績だ。
血統面でも、芝ではGI5勝を誇るキズナ産駒だが、ダート戦線では分が悪い。重賞勝ちは、サンライズジパングと今回出走するハギノアレグリアスを含め2頭(3勝)のみで、GI・GIIの勝利はない。その父であるディープインパクトも、産駒のダート重賞勝ち馬は2011年レパードSを勝ったボレアス1頭のみ。地方交流重賞を含めても、18年JBCレディスCを勝ったアンジュデジールと合わせて2頭だけだ。総じて、ディープ系のダートでの成績は良くない。
鞍上の武豊も、前身のジャパンカップダートでは4勝と相性抜群の一戦だったが、チャンピオンズCに変わってからは【0.1.2.5】と未勝利な点も気がかりな材料。今年からダート三冠路線が整備され、その元年に3歳馬が活躍してほしいところではあるが、サンライズジパングにそこまで背負わせるほどの実績は乏しく、血統面からも厳しい戦いを強いられそうだ。鞍上込みで人気を集めるようであれば妙味は薄いと考え、今回は思い切って「消し」でいってみたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。