辰己は攻守において替えの効かない選手だった(C)Getty Images 侍ジャパンが大会連覇を狙った「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」は、残念ながら準優勝に終わった。台湾との決勝は先発・戸郷翔征が2本の被弾に泣き、…

辰己は攻守において替えの効かない選手だった(C)Getty Images

 侍ジャパンが大会連覇を狙った「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」は、残念ながら準優勝に終わった。台湾との決勝は先発・戸郷翔征が2本の被弾に泣き、打線も相手の好守に阻まれ続け、0-4の完敗。スーパーラウンドまでは7戦全勝で来ていただけに、最後の1試合を落としたことが悔やまれる。

 それでも今大会でブレイクした選手が何人か見られた。初選出組を中心に、再来年のWBCメンバーに入る可能性のある男たちをまとめてみたい。なお、過去にWBCに選ばれていたり、井端ジャパンの主力で活躍した選手は対象から外している。

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■才木浩人:堂々の侍デビュー果たした快腕
 今季13勝を挙げた阪神の新エース。満を持しての代表初選出となった今大会は、先発の一角として活躍。2試合で10回2/3を投げ、防御率1.69の好成績を残した。

 シーズン同様に回転量の多いストレートで相手打者を封じ込め、特に地元開催の台湾戦(11月16日)は6回途中まで3安打無失点の快投。今後も侍ジャパンの主戦格として期待したい。

■藤平尚真:語り継ぎたいキューバ戦の投球
 リリーバーで大化けしたのが藤平だ。楽天では今季から救援転向し20ホールド、防御率1.75と活躍。そのまま代表に選出され、チーム最多の6試合に登板。150キロ超の真っ直ぐと鋭く落ちるフォークで三振の山を築いた。

 何と言ってもキューバ戦の9回、絶体絶命のピンチをしのいだシーンが印象的。1点リード、大雨の中で1死満塁。ここから連続三振に斬って取ったのは痺れた。特にヨアン・モンカダを抑えた内角直球は最高だった。

■清水達也:無死満塁をしのいだ強心臓
 リリーフからもう1人、清水も挙げたい。中日で3年連続50試合登板をクリアしたスペシャリストは、2度目の選出となった代表でも存在感を示した。

 キューバ戦でこそ自らの悪送球で同点に持ち込まれるも、スーパーラウンドの台湾戦(23日)では無死満塁を投ゴロ併殺→三振で片付ける、これ以上ないピッチング。投球だけでなく守備でもやり返した。

■辰己涼介:チームに欠かせぬ不動のセンター
 野手では辰己が筆頭か。攻守において最も替えの効かない選手だったと思う。

 ドミニカ共和国戦(18日)を除き、8試合で「3番・センター」として先発出場。打率.310、OPS.861と結果を残し、定評のある守備でも広いレンジで投手陣を助けた。

 独特なキャラクターとワードセンスで誤解されるが、野球に関しては至って真面目。順調にいけばWBCでもセンターを守っている可能性は高い。

■五十幡亮汰:「ネクスト周東」の座を確立へ
「サニブラウンに勝った男」がついに侍デビュー。代走の切り札といえば周東佑京(ソフトバンク)のイメージが強い中、今大会はそれに匹敵するインパクトを残した。

 特にキューバ戦では同点の8回に代走で出ると、栗原凌矢(ソフトバンク)の浅い左飛からタッチアップ。自慢の快足で決勝点をもぎ取った。

 盗塁技術や状況判断に課題はあるものの、スピードに関しては周東をしのぐ声もある。今後も継続的に代表に呼んで、感覚を研ぎ澄ませてもらいたい。

[文:尾張はじめ]

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