厳しい冬を迎えることになった田中。(C)産経新聞社 急転直下での発表に日本球界が揺れた。 11月24日、楽天は「協議の結果」として田中将大を11月30日提出予定の契約保留者名簿に記載しないと発表。これを受けて本人も自身のYouTubeチャン…

 

厳しい冬を迎えることになった田中。(C)産経新聞社

 

 急転直下での発表に日本球界が揺れた。

 11月24日、楽天は「協議の結果」として田中将大を11月30日提出予定の契約保留者名簿に記載しないと発表。これを受けて本人も自身のYouTubeチャンネルで「この度、私は楽天イーグルスと来季の契約を結ばずに新たなチームを探すことに決めました」と意向を示した。

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 現在36歳の田中は、開幕24連勝を挙げた13年に球団初のリーグ優勝と日本一に貢献した楽天のレジェンド。14年にMLBの名門ヤンキースに移籍したものの、21年に2年契約で復帰。先発ローテの一角として奮闘してきた。

 しかし、衰えと怪我によるコンディション不足に近年は苦戦。推定年俸9億円の2年契約が満了した22年のオフには減額制限(年俸1億円以下は25%、年俸1億円超えは40%)を超える年俸4億7500万円(推定)で再契約したが、23年は投球回に及ばず……。右肘の治療とリハビリを余儀なくされた今季に至っては、1軍登板が5回4失点で負け投手となった9月28日のオリックス戦のみにとどまっていた。

 本人はYouTubeチャンネルの動画内で「今は良いトレーニングを積むことができています。来季は今年投げられなかったぶん、さらにしっかりと投げて戦っていきたい」と前を向いたが、成績低迷は火を見るよりも明らか。生命線の制球力も要所で甘く入るケースが目立ち、球団がシビアな評価を下したのは想像に難くない。

 ゆえに最終的に田中側が自由契約を求めたという今回の決定に対し、楽天の判断を責める声はほとんど見られない。ネット上でも「球団の決定は仕方ない」「現状を考えたら……レジェンドと言ってもね」「寂しいがプロの世界のシビアさを物語っている」といった意見が相次いだ。

 気になるのは今後の田中の動静だ。今オフのFA市場では九里亜蓮、石川柊太、福谷浩司ら実力派投手たちがひしめいている。その中でいまだコンディション面のリスクも伴う田中がどれだけの評価は受けられるかは未知数なところではある。

 とはいえ、獲得に乗り出しそうな球団はゼロではない。すでにFA戦線で大山悠輔と甲斐拓也の大物取りを公言している巨人は今オフに大黒柱の菅野智之が退団。その穴埋めとまではいかないまでも、投手力強化と話題作りの両方をにらんで田中獲りに動いでもおかしくない。

 そして、中日も動向も興味深い。井上一樹新体制を発足させたチームだが、今オフに小笠原慎之介がポスティングシステムでのメジャー移籍を決断。ドラフトで金丸夢斗を引き当てたが、実績のある先発投手の枚数は足りていない。状況は異なるが、2017年には故障明けだった松坂大輔を獲得した過去もある。

 日米通算200勝まで、あと「3」。田中が1軍マウンドで再び躍動する姿は見られるだろうか。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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