◇国内シニア◇いわさき白露シニアゴルフトーナメント 2日目(23日)◇いぶすきゴルフクラブ(鹿児島)◇7052yd(パー72)プロとして夢に描いていた瞬間は、50歳のルーキーシーズンが終わろうとする頃にやってきた。2日目を終えて首位と1打…
◇国内シニア◇いわさき白露シニアゴルフトーナメント 2日目(23日)◇いぶすきゴルフクラブ(鹿児島)◇7052yd(パー72)
プロとして夢に描いていた瞬間は、50歳のルーキーシーズンが終わろうとする頃にやってきた。2日目を終えて首位と1打差の2位タイ。「あしたはすごい2人と最終組で回る。夢のような時間だと思うので、一生懸命頑張りたい」と、飯田耕正は涙で声を震わせた。
今年3月の最終予選会で24位に入って今季シニアツアーの出場権を獲得し、今季は出場11試合で「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」9位が自己ベスト、賞金ランク51位にいる。シニアで2季連続賞金王を獲った宮本勝昌、シニア通算3勝の塚田好宣と一緒に最終組で回る最終日は、これまでで間違いなく最高の組み合わせだ。
2004年「日本ミッドアマチュアゴルフ選手権」チャンピオンの経歴を持つ飯田のプロとしてのキャリアは、38歳の2012年に始まった。13、15年は国内下部ツアーを中心にプレーしたが、活躍の場を確保できずにその後はQT(予選会)止まりが続いた。
19年に日本プロゴルフ協会の「PGA資格認定プロテスト」に合格すると、50歳になった今年3月に予選会を経て同協会主管のシニアツアーでフル参戦の資格を獲得した。「フィールドの高いところでやると実力を思い知らされるけど、良い選手と回るのは楽しい。また素晴らしい選手の中でプレーできる」。レギュラーではなくても、再びツアーの舞台を踏める喜びは大きかった。
周りを見渡せば、国内ツアーでキャリアを積んでシニアに上がってきた面々が多数を占める。他の選手とは「ご挨拶するくらいで、皆さん雲の上の存在」と言い、練習場で隣り合っても声をかけることすらはばかられる。宮本、塚田とも多くの言葉を交わしたことはなかった。宮本との1打差を追う明日も「お二人をのんびり見ながら歩いて、あまり話さなくても大丈夫です。すごいショットを数多く見れる楽しさがある」と控えめ。それでも、最終日最終組の高揚感は確かにある。
「ここまで、情けないスコアも沢山あった。悔しい思いを沢山したので、まだ2日目だけどうれしいです。自分なりのショットでついて行ければ」と50歳のルーキーは期待に胸を躍らせた。(鹿児島県指宿市/谷口愛純)