◇国内男子◇カシオワールドオープン 3日目(23日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7350yd(パー72)◇晴れ(観衆3054人)2つ目のバーディを奪った直後の前半7番(パー5)、清水大成は最終組で「思い出したくない」大トラブルに遭遇した。…
◇国内男子◇カシオワールドオープン 3日目(23日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7350yd(パー72)◇晴れ(観衆3054人)
2つ目のバーディを奪った直後の前半7番(パー5)、清水大成は最終組で「思い出したくない」大トラブルに遭遇した。第1打を右ドッグレッグホールの右の林に突っ込み、前方を遮られた2打目はあえて右隣の4番ホールに脱出。林越えの3打目で7番に戻した球は、捜索中に時間切れとなりロストボールになった。
1罰打を加えて打ち直した5打目も行方知れずのまま、痛恨の紛失球になった。さらに1ペナルティの後、7打目でようやく正規の7番ホールの左ラフへ。8打目でグリーンをとらえ、2パットでまさかの「10」。パー5でダブルパーという大たたきで、首位との差はスタート時の1打から一気に6打に広がった。
トラブルのあいだは、ボール探しと打ち直しを繰り返し「もう打ちに戻りたくない…」と意気消沈。同伴選手は2人ともとっくにホールアウトしている状況で、駆け足でグリーンに向かった。精神状態がいつもと同じはずがなかったが、清水は「しょうもない一打は打ちたくない。ちゃんと入れよう」と1.5mを残した10打目も丁寧にカップに沈めた。
続く8番(パー3)に向かうとき、キャディに「(3日目の前半に)6打差だったら、普通はあきらめないだろう」と声をかけられたという。「8番のティショットからは気持ちを切り替えられた」。9番までパーを並べると、猛烈な風が吹き続けたバックナインで粘り強くプレーした。
後半10番(パー5)で第2打をグリーンの手前まで運んでバーディ。15番のボギーの後、2mを沈めた16番でバウンスバックに成功した。17番ではグリーン左手前のラフから40ydの3打目をウェッジで高く上げ、1mに寄せてパーを拾った。強い向かい風が吹いた18番(パー5)でバーディフィニッシュ。15番から3連続ボギーを喫した同組で首位のソン・ヨンハン(韓国)に、再び1打差に迫る通算11アンダー3位で最終日を迎えられる。
ルーキーイヤーの2020―21年シーズンから毎年シードを獲得し、4年目の今季はツアー初優勝を待ち続けて賞金ランキング13位にいる。「この位置に帰ってこられて本当に良かったと思います。あしたは絶対にこんなこと(大たたき)がないように、ひたすらバーディを獲っていけるように頑張ります」。スーパーカムバックの先に待望の瞬間が待っている。(高知県芸西村/桂川洋一)